歴史物語

ペストは体のどこに症状が現れる?腺ペストの特徴とリンパ節のはれについて解説

ペストの中でも最も多い「腺ペスト」とは

ペストにはいくつかの型がありますが、その中で最も発生数が多いのが腺ペスト(せんペスト)です。歴史上、14世紀のヨーロッパで大流行した「黒死病」も、主にこの腺ペストによるものだったと考えられています。

腺ペストは、感染したノミに刺されることで引き起こされます。ネズミなどの齧歯類からノミを介して人に感染するケースがほとんどです。

体のどこに症状が現れるのか

腺ペストの最大の特徴は、リンパ節のはれ(バボー)です。細菌がリンパ節に到達すると、激しい痛みを伴う腫れが形成されます。このはれは、次の部位に現れやすいことが知られています。

  • そけい部(足の付け根):最も多く見られる部位です。脚を刺されたノミからの感染では、近くのリンパ節がはれます。
  • わきの下:腕や上半身付近での感染時に現れやすい部位です。
  • 首の周り:顔や頭部付近での感染に関連して現れることがあります。

その他の主な症状

リンパ節のはれ以外にも、腺ペストでは以下のような全身症状が見られます。

  • 急な高熱
  • 悪寒(寒け)
  • 頭痛
  • 倦怠感や筋肉痛

これらの症状は、感染後2〜6日程度の潜伏期間を経て突然現れるのが特徴です。はれたリンパ節は鶏卵ほどの大きさになることもあり、強い圧痛を伴います。

早期治療が非常に重要

腺ペストは、抗生物質による治療を早めに開始すれば完治が期待できる病気です。しかし、治療が遅れると血液中に細菌が広がる「敗血症型ペスト」や肺に感染する「肺ペスト」へ進行し、命に関わる危険性が高まります。

ペストが流行している地域を訪れた後に、原因不明の発熱やリンパ節の腫れが出た場合は、速やかに医療機関を受診し、渡航歴を必ず伝えることが大切です。