第一次世界大戦後に発生した「第一の赤狩り」と、第二次世界大戦後の冷戦期における「第二の赤狩り」には、いくつかの顕著な類似点が見られます。
最大の共通点:共産主義への恐怖と疑念
両時代に共通する最も重要な特徴は、アメリカ合衆国の内部に共産主義者が浸透し、国家の転覆を企てているのではないかという恐怖と疑念が社会全体に広がったことです。ロシア革命(1917年)や戦後の激動する国際情勢を背景に、共産主義イデオロギーの拡散に対する懸念が急速に高まりました。
政府による調査と監視の強化
こうした不安な世論を受けて、政府は共産主義者やその同調者とみられる人物・団体への調査や監視を大幅に強化しました。第一次世界大戦後には、パーマー司法長官主導の一斉検挙「パーマー・レイド」が実施され、数千人が逮捕・国外追放の対象となりました。一方、冷戦期には下院非米活動委員会(HUAC)による公聴会や、ジョセフ・マッカーシー上院議員に代表される「マッカーシズム」による告発が横行し、多くの人々が糾弾されました。
不信感が蔓延した社会風潮
さらに、どちらの時代においても、隣人や同僚、時には政府機関までもが互いに疑い合う、不信感に満ちた社会的雰囲気が形成されました。根拠の乏しい告発や中傷が飛び交い、多くの人々が職を失ったり、社会的な信用を大きく損なったりする事態も生じました。
このように、二つの「赤狩り」は時代背景こそ異なるものの、「外部からの脅威以上に内部の敵を恐れた」という点で、アメリカの歴史において極めてよく似た現象だったと言えるでしょう。