結論:カエサルには二人の実の姉妹が存在した
ローマ史を代表する軍人・政治家ガイウス・ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)には、実の姉妹が二人いました。興味深いことに、二人とも「ユリア(Julia)」という同じ名前で呼ばれており、年長者を「ユリア・マヨル(大ユリア)」、年少者を「ユリア・ミノル(小ユリア)」と称して区別していました。古代ローマの名門ユリウス氏族では、同名の子どもに大小をつけて呼び分ける慣習が見られたのです。
長姉「ユリア・マヨル」について
長姉にあたるユリア・マヨルについては、弟カエサルほどの記録が残っておらず、その生涯の多くは謎に包まれています。ただし、ピナリウス家の人物と婚姻関係にあったと伝えられ、その子孫にはカエサル麾下で活躍した武将クィントゥス・ペディウスが含まれると考えられています。
妹「ユリア・ミノル」――初代皇帝アウグストゥスの祖母
一方、妹のユリア・ミノルは歴史に確かな足跡を残した人物です。彼女は騎士階級(エクイテス)出身のマルクス・アティウス・バルブスと結婚し、娘アティアをもうけました。このアティアの息子こそ、後の初代ローマ皇帝アウグストゥス(オクタウィアヌス)です。紀元前51年にユリア・ミノルが亡くなった際、葬儀の弔辞を読んだのは当時十代だった孫のオクタウィアヌスだったと伝えられています。
なお、カエサル自身には嫡出の男子がなく、直系の血筋は一人娘ユリア(ポンペイウスの妻)で途絶えました。しかし姉妹の子孫を通じて、ユリウス家の血は帝政ローマへと受け継がれていったのです。
混同に注意:ガイウス・マリウスの妻ユリアは「叔母」
カエサルの親族関係でよく誤解されるのが、名将ガイウス・マリウスの妻となったユリアの存在です。彼女はカエサルの父方の叔母にあたり、姉妹ではありません。この縁組によってユリウス家とマリウス家は結ばれ、平民派の重鎮マリウスの威光は、若きカエサルがローマ政界で台頭するうえで重要な後ろ盾となりました。
まとめ
ジュリアス・シーザーには、ユリア・マヨルとユリア・ミノルという二人の実の姉妹がいました。特に妹ユリア・ミノルの孫が初代皇帝アウグストゥスであるという事実は、カエサルの血統がローマ帝国の礎へとつながったことを示す、歴史的にも極めて重要なポイントです。