ヨーロッパ人が西アフリカ人を連れて行った主な理由
大西洋三角貿易の時代、ヨーロッパ諸国が数百万もの西アフリカ人をアメリカ大陸へ強制的に連れて行った背景には、経済的な動機が大きく関わっていました。その中心にあったのが、「無償の熟練労働力」の確保です。
無償で得られる労働力の確保
ヨーロッパ人は新大陸のプランテーション(砂糖、タバコ、綿花などの農園)で大量の労働者を必要としていました。奴隷としての人々を使えば、賃金を支払うことなく低コストで生産を行え、莫大な利益を上げることができたのです。
熱帯気候への適応力
さらに重要な点として、西アフリカの人々はヨーロッパ人には耐えられない熱帯の環境下でも働くことができました。高温多湿な気候やマラリア・黄熱病などの風土病に対する抵抗力が比較的高く、カリブ海地域や南米の過酷な条件でも労働を続けられたのです。
高度な農業技術と園芸の知識
西アフリカの人々は園芸や農耕に関する豊富な知識を持っていました。特に稲作の技術に長けており、南卡ロライナやジョージアでのライス・プランテーションの発展には、彼らの専門知識が不可欠でした。ヨーロッパ人が経験したことのない熱帯作物の栽培方法を熟知していたことは、奴隷貿易を拡大させる一因となりました。
まとめ
つまり、ヨーロッパ人が西アフリカ人をアメリカ大陸へ連れて行ったのは、賃金を支払わずに済む労働力でありながら、熱帯気候に適応できる身体性と高度な農業技術を兼ね備えていたためです。この非人道的な制度は、新大陸の経済を支える一方で、数世代にわたる深い傷跡を歴史に残すこととなりました。