ヴォルテールと姪マリー・ルイーズの絆
フランス啓蒙思想を代表する哲学者ヴォルテール(1694年~1778年)と、姉の娘である姪マリー・ルイーズ・ミニョーの間には、生涯を通じてきわめて親密で温かい関係が続きました。しかし、ヴォルテールが姪に対して恋愛感情を抱いていたことを示す証拠は存在しません。
文通に見られる愛情表現
二人は終生にわたって文通を続けました。その中でヴォルテールは、マリー・ルイーズを「我が親愛なる子」や「私の小さなネズミ」といった愛称で呼んでいます。これらの言葉は、肉親としての深い愛情を表すものであり、恋愛的な意味合いを含むものではありません。
晩年の同居と強い信頼関係
マリー・ルイーズは結婚して家庭を持ちましたが、夫に先立たれた後は、ヴォルテールの住まいで家事全般を取り仕切る傍ら、彼の最も信頼する相談相手となりました。ヴォルテールが晩年を過ごしたフェルネーの館でも、彼女は欠かせない存在でした。
恋愛関係を示す証拠はない
こうした緊密な関係にもかかわらず、ヴォルテールが姪に近親者としての愛情を超えた恋愛感情や性的な関心を抱いていたことをうかがわせる発言や記録は、一切確認されていません。二人の関係は、信頼と愛情に満ちた家族の絆によって結ばれたものだったと言えるでしょう。