「イギリスによる産業革命が南アフリカに定着したのはいつか」という問いには、少し前提を整理する必要があります。産業革命は18世紀後半から19世紀にかけてイギリス国内で始まった現象であり、そのままの形で南アフリカへ移入・定着したわけではなかったのです。
南アフリカの工業化は19世紀末以降に本格化
南アフリカが本格的に工業化への道を歩み始めたのは、19世紀末から20世紀初頭にかけてのことです。当時の経済発展を牽引したのは、鉱業と農業という二つのセクターでした。
ダイヤモンドと金の発見が転機に
1860年代後半にはキンバリーでダイヤモンドが、1886年にはウィットウォーターズランドで世界最大級の金鉱脈が発見されました。これらの鉱物資源の開発に伴い、鉄道網の整備や石炭採掘、機械類の需要拡大など関連産業が急成長し、南アフリカ経済の工業化が加速していきました。
農業も経済の重要な支柱
同じ時期の南アフリカにおいて、農業は依然として経済の中核を担っていました。鉱業と農業が相互に支え合う形で、初期の産業発展の基盤が築かれたのです。
まとめ
つまり、イギリスの産業革命そのものが南アフリカに直接定着したわけではありません。南アフリカは独自の歩みをたどり、鉱業と農業を中心とした資源主導型の経済発展を通じて、19世紀末から20世紀初頭にかけて工業化を遂げた、と理解するのが正確です。