エジプトの分裂はいつ起こったのか?
エジプトが上エジプトと下エジプトという二つの地域に分かれていたのは、先王朝時代(紀元前6000年頃~紀元前3100年頃)のことです。ナイル川流域に定住が始まったこの時代、農耕社会の発展とともにいくつもの地域勢力が生まれ、やがて南の渓谷地帯を中心とする「上エジプト」と、北のデルタ地帯を中心とする「下エジプト」に大きく分かれていきました。
神話に描かれた上下エジプトの対立
古代エジプトの神話では、この二つの地域はそれぞれ異なる神によって支配されていたと伝えられています。上エジプトを治めたのは隼の頭を持つ神ホルス、一方で下エジプトを治めたのは荒々しい性格で知られる神セトでした。両神の対立は、現実の南北エジプト間の緊張関係を象徴する物語として語り継がれてきました。
メネスによる統一と第1王朝の誕生
分裂していた上下エジプトを最終的に統一したのは、ファラオメネスです。紀元前3100年頃、メネスは第1王朝を創設し、古代エジプト史上初の統一国家を打ち立てました。なお、統一を成し遂げた王については、ナルメール王と同一人物であるとする説もあり、出土した「ナルメール・パレット」には上下エジプトの王冠を着用する王の姿が刻まれていることでも有名です。
こうして誕生した統一エジプトは、以後3000年にわたり世界有数の文明として繁栄していくことになります。