アフリカの歴史

奴隷制度を廃止し、元奴隷をアフリカへ送り返した「反乱」は実在したのか?

そのような反乱は存在しなかった

「奴隷制度を廃止し、奴隷をアフリカに送り返した反乱」というものは、歴史上存在しません。アメリカ合衆国における奴隷制度の終焉は、奴隷たち自身による反乱によってもたらされたのではなく、国家規模の内戦と憲法改正という法的・政治的なプロセスを通じて実現しました。

南北戦争と奴隷制度の終焉

アメリカで奴隷制度が廃止されたのは1865年のことです。北部(連邦)と南部(連合)の間で戦われた南北戦争(1861年~1865年)は、その最大の争点の一つが奴隷制度の存続であり、北部の勝利によって奴隷制の廃止への道が開かれました。

同年12月に批准された合衆国憲法修正第13条は、奴隷制度および強制的な労働の形態を、犯罪に対する刑罰としての場合を除き、正式に違法と定めました。これにより、約400万人いたとされるアフリカ系アメリカ人の奴隷が法的に自由な身分を獲得しました。

アフリカへの帰還運動との関係

解放された奴隷をアフリカへ送り返す動き自体は、19世紀初頭から存在していました。米国植民地協会(American Colonization Society)は1816年に設立され、自由黒人を西アフリカへ移住させる事業を推進し、その結果として現在のリベリア共和国が建国されました。しかしこの運動は「反乱」ではなく、政府や民間団体による移住計画でした。また、実際に移住したのは解放奴隷のごく一部にとどまりました。

まとめ

奴隷制度を廃止し、奴隷をアフリカへ送り返した反乱は歴史上存在せず、アメリカにおける奴隷制度の廃止は南北戦争の結果として1865年に行われた憲法修正第13条の批准によって実現したのです。