アジアの歴史

フェニックス計画はベトナムで実施されたのか?その目的と実態を解説

フェニックス計画とは何か

フェニックス計画(Phoenix Program)は、1965年から1972年にかけて南ベトナムで実施された秘密作戦です。この計画は、アメリカ軍のベトナム軍事援助司令部(MACV)の傘下にある研究観察グループ(SOG)が関与する、より広範な作戦活動の一環として展開されました。

計画の主な目的

フェニックス計画の最大の狙いは、南ベトナム国内における共産主義勢力の指導層を特定し、無力化することにありました。具体的には、民族解放戦線(NLF)、いわゆる「ベトコン」と呼ばれる組織に属する政治幹部や、南ベトナム内部で活動する共産主義指導者たちを標的としました。

「無力化」の意味

ここでいう「無力化(neutralize)」とは、単なる軍事的な撃破にとどまらず、対象となる政治幹部の逮捕、投降の促進、あるいは作戦行動による排除など、多岐にわたる手段を含んでいました。ゲリラ戦の背景にある政治組織そのものを弱体化させることを重視した点が、この計画の大きな特徴です。

歴史的意義と評価

フェニックス計画は、ベトナム戦争における対反乱作戦(counterinsurgency)の代表例として知られています。従来の正面からの軍事衝突ではなく、敵の指揮系統や政治基盤に直接打撃を与えるという手法は、後の紛争における類似の作戦にも影響を与えました。一方で、その実施方法をめぐっては多くの議論が存在し、現代においても歴史学者たちによってさまざまな角度から検証・評価が続けられています。