アジアの歴史

古代中国にはどんな仕事があった?主な職業と身分制度を解説

古代中国の職業は、時代や社会階級によって大きく異なっていました。王朝の変遷とともに仕事の内容も変化しましたが、ここでは古代中国を通じて見られた代表的な職業を紹介します。

古代中国の主な職業

農業(農民)

人口の圧倒的多数を占めていたのが農民です。稲、麦、アワ、大豆などの作物を栽培し、国家の経済基盤を支える最も重要な存在でした。

職人

職人たちは陶器、織物、家具、金属細工など、生活に必要なさまざまな品々を作り出していました。高い技術を持つ職人は重宝され、宮廷で働く者もいました。

商人

商人は商品の売買を生業とし、国内の商取引だけでなく、シルクロードを通じた海外交易にも携わっていました。ただし、儒教的価値観では「利益を追う者」とみなされ、社会的評価は必ずしも高くありませんでした。

学者・官吏

学者たちは儒教思想を研究し、後進の育成にあたりました。儒教は何世紀にもわたり中国社会を形作った哲学・倫理体系です。官吏は政府に仕え、地方行政から軍事作戦まで幅広い業務を担当しました。科挙制度を通じて登用された官僚は、最も尊敬され報酬も高いエリート職でした。

兵士

兵士は外部からの侵略から国を守り、国内の秩序を維持する役割を担っていました。辺境防衛や長城の警備に従事する者も多くいました。

使用人

裕福な家庭では、料理、掃除、子どもの世話などを担う使用人が雇われていました。労働時間は長く、賃金も低いことが一般的でした。

芸能人

音楽家、舞踊家、曲芸師などの芸能人は、権力者や富裕層の宴席で演奏や舞踊、曲芸を披露していました。

宗教指導者

祭司やシャーマンといった宗教指導者は、祭祀や宗教儀式を主宰し、人々の精神的な支えとなる存在でした。

医師・治療師

医師や治療師は漢方をはじめとする伝統中国医学を用いて、病気やけがの治療にあたっていました。

厳格だった職業の身分差

以上は古代中国に存在した数多くの職業のほんの一例です。当時の職業世界は高度に階層化されており、「士農工商」と呼ばれる身分秩序のもと、学者・官吏などの上位職は高い尊敬と厚遇を受ける一方、使用人や商人などの下位職は低賃金であり、社会的に見下されることも少なくありませんでした。このような職業格差は、古代中国の社会構造を理解するうえで重要なポイントといえます。