現代の中国において、奴隷制は法的には存在しないことになっています。中国憲法や労働法、刑法には強制労働の禁止や人身売買への処罰が明記されており、法律上はあらゆる形態の奴隷制を禁じています。
しかし報告される強制労働の実態
とはいえ、法律の存在だけでは実態が保障されるわけではありません。国際的な人権団体やジャーナリスト、各国政府の調査によれば、中国国内、とりわけ新疆ウイグル自治区において強制労働が行われているとの報告が相次いでいます。
新疆ウイグル自治区での「再教育」と労働プログラム
新疆ウイグル自治区では、ウイグル人をはじめとするイスラム教徒が多数を占める少数民族に対し、本人の意思に反して「再教育」施設への収容や労働プログラムへの動員が行われていると指摘されています。これらのプログラムは当局によって職業訓練や貧困対策として位置づけられていますが、多くの証言では、参加の自由意志が認められず、監視下で働かされている実態があるとされています。
国際社会の反応
こうした状況を受けて、アメリカやEU、カナダなどは新疆産のコットンやトマト製品などに関連する輸入規制を実施し、企業にもサプライチェーンの見直しを求めています。国連人権理事会でも度々議題に取り上げられており、中国側はこれらの指摘を「内政干渉」であるとして反発しています。
まとめ
法律上、中国に奴隷制は存在しないとされています。しかし、新疆ウイグル自治区を中心に報告される強制労働の実態は、国際社会から深刻な人権問題として注視されており、「事実上の強制的な労働搾取が存在するのではないか」という疑問は依然として払拭されていません。