アジアの歴史

13世紀にモンゴル帝国の支配下にあった現代の8カ国とは?

13世紀、チンギス・ハンとその子孫たちによって築かれたモンゴル帝国は、人類史上最大の陸上帝国として知られています。東アジアから東ヨーロッパまで広大なユーラシア大陸を席巻し、現在の多くの国々がその版図に含まれていました。

モンゴル帝国はやがていくつかの「ウルス(汗国)」に分割され、各地域をそれぞれのハン(君主)が統治しました。ここでは、13世紀当時にモンゴルの支配下にあった現代の8カ国を、それぞれを治めた政権とともに紹介します。

モンゴル支配下にあった現代の8カ国

1. ロシア(金帳汗国)

現在のロシア西部から東ヨーロッパにかけての地域は、ジョチ・ウルス(金帳汗国)の支配下に置かれました。キエフ公国をはじめとするルーシ諸公国は、モンゴルに貢納を義務付けられ、約240年間にわたりその影響下で暮らすことになります。

2. 中国(元王朝)

中国本土は、チンギス・ハンの孫であるクビライ・ハンが樹立した元王朝によって統治されました。1279年に南宋を滅ぼして中国全土を統一した元は、中国の歴史において初めて異民族による全国政権となりました。

3. イラン(イルハン朝)

ペルシャ(イラン)地域はフレグ・ハンが建てたイルハン朝の領域でした。イルハン朝はペルシャ文化を積極的に受け入れ、イスラム化が進む一方で、天文台の建設など学問の発展にも貢献しました。

4. トルコ(ルーム・セルジューク朝)

アナトリア半島(現在のトルコ)では、ルーム・セルジューク朝がモンゴルに服属し、事実上その宗主権下で存続しました。1243年のケセダグの戦いでの敗北以降、同王朝はモンゴルの従属国となっています。

5. アフガニスタン(チャガタイ・ハン国)

中央アジア一帯を領有したチャガタイ・ハン国の版図には、現在のアフガニスタンの一部も含まれていました。この地域はシルクロードの要衝として、モンゴルの東西交易網の中核を担いました。

6. イラク(イルハン朝)

1258年、フレグ・ハン率いるモンゴル軍はバグダッドを攻略し、アッバース朝カリフ制を終焉させました。以降、イラクはイルハン朝の重要な支配地域となり、歴史の大きな転換点を迎えました。

7. シリア(イルハン朝)

シリアもイルハン朝の勢力圏に含まれましたが、1260年のアインジャールートの戦いでマムルーク朝に敗れて以降、支配は不安定な状態が続きました。それでも一時期はモンゴルの影響下に置かれていました。

8. ジョージア(イルハン朝)

コーカサス地方のジョージア王国は、度重なるモンゴルの遠征の結果、イルハン朝に服従しました。現地の王は名目上存続しましたが、実権はモンゴルが握り、貢納と軍事協力を強いられる従属国家となりました。

まとめ

モンゴル帝国の支配は破壊だけでなく、「パックス・モンゴリカ」と呼ばれる平和と交易の発展をもたらしました。東西の文化交流や技術伝播が活発化し、世界史の流れに大きな影響を与えたのです。上記の8カ国は、いずれもこの巨大帝国の歴史的遺産を今に伝える存在といえるでしょう。