北米の歴史

「南北戦争中に約72万人のアメリカ人が死亡した」という文の前置詞句の目的語とは?

英語学習でよく取り上げられる例文の一つが、「About 720,000 Americans died during the Civil War.(南北戦争中に約72万人のアメリカ人が死亡した)」という文です。この文における前置詞句の働きと目的語を、文法的に正確に解説します。

前置詞句「during the Civil War」の目的語

結論から言うと、前置詞 during(〜の間に) の目的語は the Civil War(南北戦争) です。前置詞の直後に置かれ、その意味の対象となる名詞や名詞句が「前置詞の目的語」と呼ばれます。この文では、during に続く the Civil War がその役割を担っています。

なお、「Americans(アメリカ人)」が前置詞の目的語であると説明されることがありますが、これは誤りです。Americans は動詞 died(死亡した)の主語であり、前置詞句の一部ではありません。あくまでも文全体の動作の主体を表す要素です。

前置詞句が修飾するのは動詞「died」

前置詞句「during the Civil War」は、文の中で動詞 died を修飾しています。「いつ死亡したのか」という時間的な情報を付け加える働きで、いわゆる「時を表す副詞句」として機能しています。

文の構造を整理すると

  • About 720,000 Americans:主語(誰が)
  • died:動詞(何をしたか)
  • during the Civil War:前置詞句(died を修飾し、「いつ」を表す)
    → その中で前置詞 during の目的語となっているのは the Civil War

「前置詞句の目的語は何か」と問われた場合には、「前置詞句が何を修飾しているか」という別の質問と混同しないよう注意が必要です。前者の答えは the Civil War、後者(修飾対象)の答えは動詞 died となります。

補足:南北戦争の犠牲者数について

参考までに、1861年から1865年にかけて続いた南北戦争(American Civil War)は、アメリカ史上最も多くの犠牲者を出した戦争とされています。長らく死者数は約62万人とされてきましたが、近年の人口統計学的な研究では約75万人前後に達するという推計もあり、「約72万人」という数字はこうした新しい推計の範囲内に位置づけられます。