歴史記録や考古学的な調査によれば、ジョン・カボット(John Cabot)が1497年に北米大陸へ到達する以前に、ヨーロッパ人がカナダに恒久的な定住を行った確かな証拠は存在していません。カナダにおける本格的なヨーロッパ人の殖民は、実質的には15世紀末以降に始まったと考えられています。
西暦1000年頃のノース人(ヴァイキング)の足跡
ただし、一時的な入植であれば、それ以前にも行われていたことが分かっています。西暦1000年頃、グリーンランドから航海したノース人(ヴァイキング)が、現在のカナダ・ニューファンドランド島北部に短期間の入植地を築きました。
この遺跡は「ランス・オ・メドー(L'Anse aux Meadows)」として知られており、北米大陸におけるヨーロッパ人活動の最古の考古学的証拠とされています。1960年代に発掘されて以来、ヴァイキングのサガ(伝承)に記された「ヴィンランド」の候補地として大きな注目を集め、現在ではユネスコの世界遺産にも登録されています。
なぜノース人の定住は続かなかったのか
しかし、これらのノース人の入植地は永続することはありませんでした。厳しい気候条件、先住民との緊張関係、そして母国であるグリーンランドやアイスランドからの距離など、複数の要因が重なり、入植は数年から長くても数百年のうちに放棄されたと考えられています。
まとめ
したがって、「西暦1000年頃にヨーロッパ人がカナダに到達していたか」という問いに対する答えは「イエス」ですが、「恒久的に定住していたか」という問いに対しては「ノー」となります。カナダにおける持続的なヨーロッパ人の定住は、1497年のカボットの航海以降、16世紀から17世紀にかけての漁業活動や毛皮交易、そしてフランスやイギリスによる植民地建設を通じて本格化していったのです。