北米の歴史

コロンビア特別区(D.C.)はどの州から作られたのか?その答えと歴史的背景

結論:どの州からも「作られてはいません」

ワシントンD.C.(コロンビア特別区)は、アメリカ合衆国のいずれの州からも創設されたものではありません。同特別区は、連邦政府が直接管轄するために特別に指定された「連邦直轄地」であり、どの州にも属さない独立した行政区域です。

なぜ州に属さない特別区が必要だったのか

建国当初、合衆国憲法は、連邦議会が独自に統治する首都地区の設置を定めていました。これは、特定の一つの州の影響を受けることなく、連邦政府が中立な立場で機能できるようにするためでした。

歴史的背景:メリーランド州とバージニア州からの土地提供

ただし、興味深い歴史的経緯があります。1790年の「首都所在地法(Residence Act)」に基づき、ポトマック川沿いの土地は、隣接するメリーランド州とバージニア州から提供されました。この寄贈された土地をもとに、コロンビア特別区が形成されたのです。

その後、1846年にはバージニア側の地域(当時のアレクサンドリア郡)がバージニア州へ返還されたため、現在のD.C.の領域は、かつてメリーランド州が保有していた土地のみで構成されています。

現在のD.C.の地位

D.C.の住民は連邦税を納めているものの、連邦議会において投票権を持つ議員を選出することはできず、無投票のオブザーバー代表のみが認められています。この状況を改善すべく、「D.C.の51番目の州への昇格(D.C. Statehood)」を求める運動が長年にわたり続けられています。