なぞなぞ:それは何?
英語圏で古くから親しまれてきた古典的ななぞなぞをご紹介します。
「根はあるのに、それを見た者はいない。
木よりも高くそびえ立ち、
上へ、上へと伸びていくのに、
決して成長することはない。
——さあ、これは何でしょう?」
答えは「山」
正解は山(mountain)です。一見すると矛盾するようなヒントの数々が、すべて「山」の特徴を見事に表現しています。
ヒントの意味をひとつずつ解きほぐす
根はあるのに、誰も見たことがない
山は大地に深く根を下ろしているかのように見えますが、その根元は地中に隠れているため、実際の姿を目にすることはできません。
木よりも背が高い
世界一高い木とされるセコイアでも高さは100メートル余り。一方、山はエベレストの8,849メートルをはじめ、どんな巨木も及ばない高さに達します。
上へ、上へと伸びていく
山道を進むほど標高は上がっていきます。さらに地質学的に見ると、プレート同士の衝突によって山が今も隆起し続けている地域もあります。
それなのに、決して成長しない
山は生き物ではないため、「成長する」という概念が当てはまりません。「伸びるけれど育つのではない」という点が、このなぞなぞの妙味です。
『ホビットの冒険』に登場する名場面
このなぞなぞは、J・R・R・トールキンの代表作『ホビットの冒険』の「闇のなぞなぞ勝負」の場面で、ゴクリムがビルボ・バギンズに出題したものとして知られています。ビルボは見事に「山」と答えて勝負を切り抜けました。シンプルでありながら奥深いこの問題は、出版から80年以上経った今もなお、世界中の読者を魅了し続ける名なぞなぞといえるでしょう。