北米の歴史

アメリカで黒人奴隷制がピークに達したのはいつ?歴史的背景を解説

アメリカにおける奴隷制の歴史

アメリカ大陸では、ヨーロッパ諸国による植民地化の初期から奴隷制が存在し、1865年に憲法修正第13条が批准されてようやく正式に廃止されるまで、長い歳月にわたって続けられました。

「南北戦争前の南部」の時代

奴隷制はアメリカの歴史全体を通じて存在していましたが、なかでも「南北戦争前の南部(Antebellum South)」あるいは「オールド・サウス」と呼ばれる時代、つまり南北戦争(1861年〜1865年)に至るまでの数十年間に、アメリカ南部における奴隷制は著しく強化・拡大していきました。

奴隷制が最盛期を迎えた背景

この時代はおよそ18世紀半ばから19世紀半ばにあたり、南部の綿花生産州では奴隷制がピークに達し、広範囲にわたって行われていました。転機となったのは1793年の綿繰り機(コットン・ジン)の発明です。この技術革新によって綿花栽培が飛躍的に拡大し、それに伴い奴隷労働に対する需要も急激に増加しました。

南部の大規模プランテーションは、畑での農作業をアフリカ系アメリカ人の奴隷たちに大きく依存していました。奴隷とされた人々の強制的な労働は、南部経済とそこから生み出される富を支える上で、極めて重要な役割を果たしていたのです。

地域による差異にも注意

ただし、奴隷制のピークは地域によって異なるという点にも留意が必要です。「ディープサウス」と呼ばれる地域では奴隷制がとりわけ広範に行われた一方、国の他の地域ではその規模が限定的だったり、すでに廃止されていたりする場合もありました。