北米の歴史

1776年から1976年までの米ドルの価値はいくら?金・銀との関係で見る200年の変遷

1776年から1976年までの米ドルの価値の変遷

米ドルは誕生以来、長いあいだ金や銀といった貴金属と結びついた通貨でした。しかし、その裏付けとなる金属の量は時代とともに縮小し続け、20世紀にはついにゼロになりました。この記事では、1776年から1976年までの約200年間にわたる米ドルの価値の変化を、年表形式でわかりやすくまとめます。

1776年|スペイン銀ドルと等価の時代

アメリカ独立の頃、北米大陸で最も広く流通し信頼されていた通貨は、スペインで鋳造された銀貨「スペイン・ミルド・ダラー(Spanish Milled Dollar)」でした。米ドルは、この銀貨とまったく同じ価値を持つものとして出発しました。

  • 1スペイン銀ドル = 1米ドル

1792年|銀の量で定義された米ドル(1792年貨幣法)

1792年に制定された貨幣法(Coinage Act of 1792)により、米ドルははじめて法律によって定義されました。このときドルの価値は、純銀の重量で表されています。

  • 1米ドル = 純銀1,600グレーン

※グレーン(grain)は約0.0648グラムの重さを表す単位です。

1834年|金と銀の併用へ(1834年の金本位関連法)

1834年の法改正では、米ドルは金と銀の両方の量で示されるようになりました。以降、アメリカの通貨制度はしだいに金本位制へと移行していきます。

  • 1米ドル = 純金412.5グレーン または 純銀23.22グレーン

1879年|正貨支払の再開(1875年正貨支払再開法)

南北戦争中に中断されていた紙幣の金兌換は、1875年に成立した正貨支払再開法(Specie Payment Resumption Act)に基づき、1879年に再開されました。この時点で、米ドルは次のように定義されていました。

  • 1米ドル = 純金23.22グレーン

1934年|金平価の引き下げ(1934年金準備法)

世界恐慌のさなかに成立した金準備法(Gold Reserve Act of 1934)により、ドルと金の交換比率は大幅に引き下げられました。同じ1ドルでも、以前より少ない金しか裏付けられなくなったのです。

  • 1米ドル = 純金13.714グレーン

1971年|ブレトンウッズ体制の崩壊

1971年、ニクソン大統領による金兌換停止の声明(ニクソン・ショック)により、ドルと金の固定的な結びつきは事実上終わりを迎えました。これをもって、米ドルは金による裏付けを失うことになります。

  • 1米ドル = 金による裏付けなし

1973年|金・銀との完全な決別

1973年には、米ドルは金にも銀にも一切リンクしない、完全な管理通貨(不換紙幣)となりました。

  • 1米ドル = 純金0グラム・純銀0グラム

まとめ:200年で「金属の通貨」から「信用の通貨」へ

この年表が示すように、米ドルの価値の裏付けは、スペイン銀ドルとの等価から始まり、銀から金へと移りながらその量を減らし続け、1970年代には完全にゼロになりました。今日の米ドルは法定通貨(fiat money)であり、その価値は政府の信用と経済力、そして市場における需要によって支えられています。