南北戦争期の「6つの準州」とは?
アメリカ南北戦争(1861年〜1865年)の時代、現在のアメリカ西部・南西部にあたる地域には、まだ州へ昇格していない「準州(テリトリー)」が数多く存在していました。これらの準州は、南部のアメリカ連合国(南軍)と北部の合衆国(北軍)のいずれかに属し、戦争の帰趨を左右する重要な役割を担っていました。
ここでは、連合国側の4つ、合衆国側の2つ、計6つの準州・勢力圏について詳しく見ていきましょう。
アメリカ連合国(南軍)側の4つの準州・勢力圏
アメリカ連合国が管轄または影響下に置いたとされるのは、以下の4つです。
1. アリゾナ準州
1861年、連合国はニューメキシコ準州の南部を分離する形で、独自の「アリゾナ準州」を設立しました。現在のアリゾナ州南部からニューメキシコ州南部にかけての地域に相当し、南西部への勢力拡大の拠点として位置づけられていました。
2. ニューメキシコ準州
リオグランデ川流域を中心とする広大な地域で、南北両陣営が支配権をめぐって激しく争いました。連合国は一時的にこの地域への影響力を確立しようと試みましたが、最終的には北軍が優位に立ちました。
3. チョクトー族
インディアン準州(現在のオクラホマ州)に居住していた先住民族の一つです。1861年に連合国と条約を結び、同盟関係を築きました。
4. チカソー族
同じくインディアン準州に住み、チョクトー族とともに連合国側についた部族です。両部族は独自の政府を持つ「国家」として扱われ、連合国議会にも代表を送りました。
合衆国(北軍)側の2つの準州
一方、合衆国(北軍)に属した準州は次の2つです。
1. コロラド準州
1861年に設立されたコロラド準州は、豊富な金鉱山資源を抱え、北軍にとって戦略的に極めて重要な地域でした。開拓民の入植も進み、戦後の州昇格への基盤となりました。
2. ネバダ準州
1861年にユタ準州から分離して誕生しました。コンストック鉱脈に代表される銀山資源を背景に、北軍の戦費調達で大きな役割を果たしました。戦争中の1864年には州へ昇格しており、「戦火の中から生まれた州(Battle Born State)」と呼ばれています。
まとめ
南北戦争期の準州配置は、単なる地理区分にとどまらず、資源・交通路・先住民族との関係といった多様な要素が絡み合った政治的な駆け引きの結果でした。南軍側のアリゾナ・ニューメキシコ・チョクトー族・チカソー族、北軍側のコロラド・ネバダという6つの準州・勢力圏の動向は、戦争全体の流れを理解するうえで欠かせない視点といえるでしょう。