南北戦争開始時に連邦に残った5つの奴隷州
1861年に南北戦争が勃発したとき、奴隷制を維持しながらもアメリカ合衆国(連邦・北軍)側に留まった州は5つありました。これらの州は「境界州(ボーダー・ステーツ)」と呼ばれ、地理的にも戦略的にも戦争の行方を左右する重要な存在でした。
連邦側に残った奴隷州の一覧
- デラウェア州 — 奴隷人口が非常に少なく、脱退の動きはほとんど見られませんでした。
- ケンタッキー州 — 戦争当初は中立を宣言しましたが、最終的に連邦側につきました。エイブラハム・リンカーン大統領の出生地としても知られています。
- メリーランド州 — 首都ワシントンD.C.を三方から囲む要衝であり、同州が離反すれば首都が包囲される危機に陥るため、連邦にとって死活的に重要でした。
- ミズーリ州 — 州内では親南軍勢力との激しい対立が続き、事実上の内戦状態に陥りました。
- ウェストバージニア州 — 脱退したバージニア州から分離し、1863年に連邦35番目の州として正式に加盟しました。
境界州の意義
これらの境界州が連邦に残ったことは、北軍にとって大きな戦略的優位となりました。リンカーン大統領は戦争初期、これらの州の離反を防ぐことを最優先課題の一つとし、奴隷制廃止の問題にも慎重な姿勢を見せていました。境界州の動向は、南北戦争全体の帰趨を大きく左右したといえます。