1492年にクリストファー・コロンブスがアメリカ大陸に到達した当時、両大陸全体にはおよそ1億人の先住民(インディヘナ)が暮らしていたと推定されています。この数字は、ヨーロッパからの接触以前のアメリカ大陸が、決して「無人の荒野」ではなく、高度な文明と巨大な人口を抱える世界だったことを示しています。
人口の分布:中南米に集中
この約1億人のうち、大部分は中南米に集中していました。メキシコ中央部のアステカ帝国や、アンデス地方のインカ帝国といった大規模な国家は、それぞれ数百万人規模の人口を支える農業技術と社会制度を持っていました。
一方、現在のアメリカ合衆国およびカナダにあたる北米地域の人口は、研究者によって推計に幅がありますが、おおむね200万〜1000万人程度とされています。彼らは狩狩猟、農耕、漁撈などを組み合わせた多様な生活様式を築いていました。
推計値に幅がある理由
「約1億人」という数字はあくまで学術的な推計であり、研究によっては5000万〜1億人以上という幅広い値が提示されています。金属製の文字記録や大規模な都市遺跡が限られている地域も多く、疫学・考古学・歴史学を組み合わせた推定に依存するためです。近年は衛星画像や土壌分析などの新技術により、従来の想定を上回る人口規模が明らかになりつつあります。
接触後の悲劇的な人口減少
コロンブスの到達以降、ヨーロッパ人が持ち込んだ天然痘・麻疹・インフルエンザなどの感染症に対し、先住民は免疫を持っていませんでした。その結果、16世紀から17世紀にかけて人口は劇的に減少し、一部の地域では接触後100年以内に人口の90%以上が失われたと考えられています。戦争、奴隷化、土地の略奪もこの減少に拍車をかけました。
まとめ
1492年の時点でアメリカ大陸には約1億人の先住民が存在し、特に中南米では大規模な文明が繁栄していました。しかしヨーロッパとの接触後、持ち込まれた病気や暴力によって人口は壊滅的な打撃を受けました。この事実は、アメリカ大陸の歴史を語るうえで欠かせない視点となっています。