北米の歴史

奴隷制度はいつ廃止された?各国の廃止年と歴史をわかりやすく解説

現在でも世界のさまざまな地域では、強制労働や人身売買といった形で「現代の奴隷制」が存在しているのが実情です。しかし、大西洋奴隷貿易や法的に認められた所有奴隷制(チャッテル・スレイヴァリー)は、数世紀にわたる廃止運動の歴史の中で、段階的に違法化されていきました。ここでは、主要な国・地域ごとの奴隷制廃止の経緯を解説します。

イギリスとその植民地での廃止

イギリスでは、1807年に奴隷貿易法が成立し、大西洋奴隷貿易が禁止されました。それに先立つ1778年にはスコットランドで奴隷制が廃止されており、そして1834年の奴隷制度廃止法の施行により、大英帝国全体で奴隷制が正式に終わりを迎えました。ウィルバー・フォースら廃止論者たちによる長年にわたる運動が実を結んだ結果です。

アメリカ合衆国での廃止

アメリカでは、1861年から1865年にかけて南北戦争が勃発しました。この戦争の帰結として、1865年12月に憲法修正第13条が批准され、奴隷制は正式に廃止されました。1863年のリンカーン大統領による奴隷解放宣言が、その重要な前段階となったことはよく知られています。

ブラジル――西側諸国で最後の廃止

1888年5月13日、ブラジルは「黄金法(Lei Áurea)」を公布し、奴隷制を廃止しました。これにより、ブラジルは西側諸国で最後に奴隷制を廃止した国となり、新大陸における約300年以上に及ぶ法的な奴隷制の歴史に幕が下ろされました。

現代にも残る「奴隷制」という課題

法的な奴

法的な奴隷制は歴史的に廃止されてきましたが、国際労働機関(ILO)の推計によれば、今日でも世界中で数千万人が強制労働、債務奴隷、人身売買などの搾取を受けているとされています。奴隷制廃止までの歩みを学ぶことは、現代の人権問題を考えるうえでも非常に重要な意味を持っています。