北米の歴史

鉄道はなぜ東西に走ったのか?——実は南北路線が主流だったアメリカの鉄道網

「アメリカの鉄道は南北よりも東西に多く敷設されている」という話を耳にすることがありますが、実はこの認識は正確ではありません。

実際には南北方向の路線が多数

アメリカ合衆国における鉄道路線の大多数は、実は南北方向に走っています。これは、鉄道が国内の主要な人口密集地や経済回廊(経済活動の中心地を結ぶ動脈)に沿って建設されてきたためです。例えば、東海岸沿いのボストン〜ワシントンD.C.間の回廊や、五大湖周辺から南部へ至るルートなど、南北をつなぐ路線が貨物・旅客の両面で重要な役割を担ってきました。鉄道は人々の暮らしと経済活動の流れに応じて発展するため、自然と南北方向の需要が高くなったのです。

東西方向の路線も無視できない存在

もちろん、東西方向の鉄道も歴史的・経済的に大きな意味を持っています。1869年に完成した大陸横断鉄道は、大西洋側と太平洋側を結び、国土開発と経済成長の原動力となりました。農産物や資源を東西で輸送する幹線として、現在でも重要な地位を占めています。ただし、路線数全体として見れば、東西路線が南北路線より多いというわけではないのです。

まとめ

「鉄道は東西に多い」というのは誤解であり、実際には人口分布や経済の流れに合わせて、南北方向の路線が主流となっています。大陸横断鉄道に代表される東西の幹線も歴史的に重要ですが、あくまで広大な鉄道網の一部と捉えるのが正確でしょう。