答えはノー——むしろ逆だった
いいえ、ウェストバージニア州は連邦(合衆国)から離脱していません。むしろ正反対です。南北戦争中、バージニア州西部の諸郡が、合衆国からの脱退を選んだ東部バージニアから分離し、北軍(合衆国)側の新たな州として誕生しました。
なぜ西部は東部と袂を分かったのか
1861年、バージニア州が合衆国からの脱退を決議すると、アパラチア山脈以西の諸郡はこの決定に強く反発しました。背景には両地域の経済構造の違いがあります。東部が奴隷労働に依存する大規模プランテーション農業を中心としていたのに対し、西部は小規模農家や鉱業が主体で、奴隷制への依存度がはるかに低かったのです。
そこで西部の代表者たちはホイーリングで会議を開き、合衆国に忠誠を誓う「再建バージニア政府」を樹立。この政府の承認のもと、新州創設の手続きが進められました。
合衆国35番目の州として誕生
こうしてウェストバージニアは1863年6月20日、合衆国35番目の州として正式に加盟しました。南軍に加わった州から分離して北軍側の州となったのは、アメリカ史上この一例のみです。「マウンテン・ステート(山の州)」の愛称で親しまれる同州には、この特異な誕生の物語が今も深く刻まれています。