19世紀のアメリカ西部開拓(ウェストワード・エクスパンション)の時代、開拓者たちは大陸を横断する途上で、実に多様な植物相に出会いました。乾燥した砂漠から緑豊かな渓谷、広大な草原まで、気候や地形に応じて異なる植物が生育していたのです。ここでは、その時代に見られた植物を「草」「樹木」「低木」「サボテン」の4つのカテゴリに分けてご紹介します。
イネ科の草(グラス)
西部開拓の道中で最も身近だった植物の一つが、イネ科の草本類です。乾燥した砂漠地帯から湿り気のある緑の谷間まで、さまざまな気候に適応して広く分布していました。特に代表的な草には以下のようなものがあります。
- バッファローグラス(バッファロー草)
- ブルーグラマ草
- ウェスタンウィートグラス(西洋小麦草)
- ニードルグラス(針草)
- プレーリーコードグラス(草原の縄状草)
樹木
樹木もまた、地域によってまったく異なる姿を見せました。アメリカ東部の森林は、オーク(ナラ)、ヒッコリー、カエデといった落葉広葉樹が優占しています。一方、西部に進むにつれて森林の様相は変わり、マツ、トウヒ、モミなどの針葉樹が主体となっていきます。開拓時代によく見られた主な樹木は以下の通りです。
- オーク(ナラ類)
- ヒッコリー
- カエデ
- パイン(マツ類)
- スプルース(トウヒ類)
- ファー(モミ類)
- ダグラスファー(ベイマツ)
- ポンデローサパイン(ポンデローサマツ)
- ウェスタンレッドシダー(ベイスギ)
低木(シュラブ)
低木類は、砂漠地帯から山岳地帯まで、西部の幅広い環境で見られました。乾燥に強いものが多く、開拓者の目印にもなっていたといわれています。代表的な低木には以下があります。
- セージブラッシュ(ニオイヨモギ属)
- ラビットブラッシュ
- ビターブラッシュ
- グリースウッド
- クレオソートブッシュ
- チャミーズ
- マンザニータ
- セアノサス
- マウンテンマホガニー
サボテン
サボテンは、アメリカ西部の砂漠地帯に特有の植物です。これらの植物は、茎や組織に水分を蓄えることで、過酷な乾燥気候への適応を果たしてきました。代表的なサボテンには以下のようなものがあります。
- サワロサボテン(サグアロ)
- ウチワサボテン(プリックリーペア)
- チョヤサボテン(チョーラ)
- タルサボテン(バレルカクタス)
- オコティロ
このように、西部開拓の舞台となった大地には、東部の落葉樹林から西部の針葉樹林、草原、砂漠に至るまで、実に多彩な植物が息づいていました。それぞれの植物は、厳しい自然環境への適応を経て現在も生き続けており、アメリカ西部の自然景観を形作る重要な存在となっています。