1492年のコロンブスによる新大陸到達から1820年頃までの約330年間に、アメリカ大陸へ移住した人々の中で最も大きな割合を占めたのは、実はヨーロッパからの自由移民ではなく、奴隷として強制的に連行されたアフリカ系の人々でした。
大西洋奴隷貿易の規模
15世紀後半から19世紀にかけて展開された「大西洋奴隷貿易(三角貿易)」では、推計1,000万人以上のアフリカ人がアフリカ大陸からアメリカ大陸へ強制移送されたとされています。特に18世紀がピークであり、この時期には毎年数万人規模の人々が大西洋を渡ることになりました。
なぜこれほど多くの人が運ばれたのか
アメリカ大陸、特にカリブ海地域やブラジル、北米南部では、砂糖・タバコ・綿花などを生産するプランテーション経済が急速に発展しました。しかし、先住民はヨーロッパ人が持ち込んだ病気や過酷な労働条件によって人口が激減し、大規模農園を支える労働力が深刻に不足していました。
そこでヨーロッパの植民者たちは、西アフリカから人々を拉致・購入し、奴隷として新大陸へ送り出す仕組みを作り上げました。アフリカの人々は劣悪な船内環境での長い航海を強いられ、生きて対岸にたどり着けた人は必ずしも多くありませんでした。命がけの航海を生き延びた人々も、到着後はプランテーションや鉱山などで過酷な強制労働に従事させられました。
ヨーロッパからの移民との比較
1820年以前にアメリカ大陸へ渡ったヨーロッパ人の自由移民の数は、アフリカから強制移送された人々の数を大きく下回っていたと考えられています。つまり、この時代におけるアメリカ大陸への「移住」の大部分は、当人たちの意思とは無関係に、暴力的な手段によって行われたものだったのです。
まとめ
1492年から1820年にかけてアメリカ大陸に移住した最大のグループは、大西洋奴隷貿易によって強制的に連れてこられたアフリカ系の人々です。彼らとその子孫は、過酷な搾取と差別に耐えながらも、アメリカ大陸の文化・社会・経済の形成に深く関わることとなり、その影響は現代の南北アメリカ諸国にも色濃く残っています。