北米の歴史

アメリカ合衆国憲法は独立戦争中に署名されたのか?

憲法は独立戦争中に署名されたのか?

いいえ、アメリカ合衆国憲法は独立戦争(アメリカ革命)の期間中には署名されていません。

アメリカ独立戦争は1775年から1783年にかけて行われましたが、合衆国憲法が署名されたのはその後の1787年9月17日です。つまり、憲法の署名は戦争が正式に終結してから約4年後のことになります。

独立戦争から憲法制定までの時系列

両者が混同されやすい理由の一つは、出来事の時期が近いことにあります。以下のような流れで歴史が進みました。

  • 1775年: レキシントン・コンコードの戦いにより、アメリカ独立戦争が勃発
  • 1776年7月4日: 戦争中に「独立宣言」が採択される
  • 1781年: 初期の統治文書である「連合規約」が発効
  • 1783年: パリ条約の締結により、独立戦争が正式に終結
  • 1787年9月17日: フィラデルフィアの制憲会議において、合衆国憲法が署名される
  • 1789年: 合衆国憲法が正式に施行され、ジョージ・ワシントンが初代大統領に就任

なぜ混同されやすいのか?

「独立宣言」(1776年)は確かに戦争中に採択されているため、「憲法も同じく戦争中に作られたのだろう」と誤解されがちです。しかし実際には、独立戦争中のアメリカは「連合規約」によって統治されており、この規約には中央政府の権限が弱すぎるという重大な欠陥がありました。

戦後の財政混乱やシャイズの反乱(1786〜1787年)といった危機を背景に、より強力な連邦政府を樹立するための制憲会議がフィラデルフィアで開催され、そこで現在の合衆国憲法が起草・署名されたのです。

まとめ

合衆国憲法は独立戦争終結後の1787年9月17日に署名されたものであり、独立戦争中に採択されたのは「独立宣言」の方です。両者の役割と時期を区別しておくと、アメリカ建国期の歴史がより理解しやすくなります。