北米の歴史

中世の航海術の発展とは?羅針盤から六分儀までの歴史

中世における航海術の発展

中世は、航海術が大きく進歩した時代でした。それまで陸が見えなくなると方向を見失ってしまうこともあった船乗りたちは、新しい道具や技術の登場によって、より遠くへ、より正確に海を渡れるようになりました。本記事では、中世に登場した主要な航海器具とその歴史について解説します。

磁気羅針盤(コンパス)

中世の航海術における最も重要な発明の一つが磁気羅針盤です。この装置により、船乗りは陸地がまったく見えない外洋でも進行方向を把握できるようになりました。羅針盤は11世紀に中国で発明され、12世紀にはアラブの商人たちによってヨーロッパへ伝えられたとされています。

アストロラーベ

もう一つの重要な航海器具がアストロラーベです。これは星や惑星の位置を測定する装置で、船乗りはこれを使って自船の緯度を求めることができました。アストロラーベの原型は紀元前150年頃に古代ギリシャで生まれましたが、航海に本格的に活用されるようになったのは中世に入ってからのことです。

クロススタッフ(十字棒)

クロススタッフも中世後期に使われた代表的な測量器具です。目盛り付きの棒に直角に交わる滑り板を動かし、太陽や北極星の高度を測ることで緯度を特定しました。15世紀に登場し、ポルトガルやスペインの探検家たちによって盛んに使用されました。

象限儀(クアドラント)

象限儀は、円の4分の1にあたる90度の扇形の目盛り板と振り子を使い、天体の高度を測定する器具です。クロススタッフと同じく緯度の決定に用いられ、15世紀頃から普及し、大航海時代の船乗りたちにとって欠かせない道具となりました。

六分儀(セクスタント)

六分儀は、水平線と太陽や星との角度を極めて精密に測定できる装置です。発明されたのは18世紀であるため、厳密には中世の道具ではありませんが、中世以来の天体観測技術の集大成といえます。イギリスやフランスの探検家たちに広く使われ、航海術の精度を飛躍的に高めました。

まとめ

中世の航海術の発展は、羅針盤、アストロラーベ、クロススタッフ、象限儀といった器具の発明と改良によって支えられていました。これらの技術革新により、船乗りたちはかつてないほど遠方へ正確に航行できるようになり、やがて大航海時代への道が開かれたのです。