北米の歴史

『ノース・スター』と『リベレイター』を発行したのは誰?――米国奴隷制廃止運動を支えた二大新聞

奴隷制廃止運動を支えた二つの新聞

19世紀アメリカの奴隷制廃止(アボリション)運動において、「ノース・スター(The North Star)」と「リベレイター(The Liberator)」という二つの新聞は、世論を動かす大きな力となりました。この記事では、それぞれの発行者とその歴史的意義について解説します。

「ノース・スター」を発行したのはフレデリック・ダグラス

「ノース・スター」は、元奴隷から著名な廃止論者・作家へと転身したフレデリック・ダグラス(Frederick Douglass)が、1847年から1851年まで発行した新聞です。紙名は、逃亡奴隷たちが自由を求めて北を目指す際の道標となった「北極星」にちなんだものです。

ダグラスは自らの経験をもとに、この新聞を通じて奴隷制の即時廃止と黒人の権利向上を力強く訴え続けました。後に紙名は「フレデリック・ダグラス・ペーパー(Frederick Douglass' Paper)」へと変更されています。

「リベレイター」を発行したのはウィリアム・ロイド・ギャリソン

一方、「リベレイター」は、白人廃止論者ウィリアム・ロイド・ギャリソン(William Lloyd Garrison)が1831年から1865年まで発行した週刊新聞です。創刊号でギャリソンは「私は容赦しない(I will be heard!)」と宣言し、段階的解放ではなく即時かつ無条件の奴隷制廃止を掲げました。

この新聞は約35年間にわたって発行され、奴隷制廃止運動の中心的なメディアとして機能しました。南北戦争の終結と奴隷制の廃止という目標を達成した後、1865年12月に役割を終えて廃刊となりました。

まとめ

「ノース・スター」はフレデリック・ダグラスが(1847年~1851年)、「リベレイター」はウィリアム・ロイド・ギャリソンが(1831年~1865年)それぞれ発行した新聞です。逃亡奴隷出身者と白人改革者という異なる立場から奴隷制と闘った二人でしたが、その言葉と活動はアメリカ社会の変革に計り知れない影響を与えました。