北米の歴史

ジェファーソンが独立宣言で言及した「自然法」とは何か?その意味と思想を解説

ジェファーソンと「自然法」の関係

トーマス・ジェファーソンは、アメリカ独立宣言の中で「自然および自然の神の法(Laws of Nature and of Nature's God)」に言及し、これを不可譲の権利(奪うことのできない権利)の源泉、そして正統な政府の基盤として位置づけました。

この考え方こそが、「すべての人間は平等に創られている」という独立宣言の有名な一節を支える理論的根拠となっています。

自然法(自然法則・自然権)とは?

自然法(natural law)、あるいは自然権(natural rights)とは、人間の本性そのものに備わっている普遍的な道徳原理を指す哲学的・倫理学的な概念です。

その核心的な特徴は以下の通りです。

  • 特定の社会や政府の信念、文化、法律に依存しない
  • 人間である限り、誰もが生まれながらにして持つ権利である
  • 国家や為政者によって与えられたものではないため、奪い取ることもできない

独立宣言における具体例

ジェファーソンは、こうした自然法から導かれる不可譲の権利として、「生命、自由、幸福の追求」を挙げました。政府の役割は、これらの権利を守ることにあり、もし政府がこの責務を果たさなければ、人民はそれを変更または廃止する権利を持つ――これが自然法思想に基づく独立宣言の論理です。

現代への影響

自然法の思想は、ジョン・ロックなどの啓蒙思想家の影響を受けたものですが、ジェファーソンによって政治文書として明確に表現されました。この考え方は、近代民主主義や人権概念の礎となり、世界の人権宣言や憲法にも深い影響を与え続けています。