広島への原爆投下とアメリカ軍の位置
1945年8月6日に広島へ原子爆弾が投下された際、作戦に関わったアメリカの艦船や航空機は、市街地そのものには存在していませんでした。原爆を投下したB-29爆撃機「エノラ・ゲイ」は、北マリアナ諸島のテニアン島から離陸しており、同島は広島から約1,500マイル(約2,414キロメートル)離れた地点にあります。
エノラ・ゲイの出撃経路
エノラ・ゲイはテニアン島のノースフィールド基地を早朝に出撃し、約6時間の飛行を経て広島上空に到達しました。つまり、原爆投下という歴史的な作戦は、日本本土から遠く離れた太平洋上の基地から実行されたのです。
作戦に関わったその他の艦船
作戦に参加していたその他のアメリカ海軍の艦艇も、いずれも広島から数百マイル以上離れた海域に位置していました。なかでも巡洋艦「インディアナポリス」(USS Indianapolis)は、原子爆弾「リトルボーイ」の部品をテニアン島まで極秘裏に輸送した任務で知られています。同艦はこの任務を終えた直後の7月30日、フィリピン方面へ航行中に日本の潜水艦の攻撃を受けて沈没し、米海軍史上でも最悪級の惨事となりました。
このように、広島への原爆投下作戦全体が、日本近海ではなく太平洋の離れた基地や洋上から指揮・支援される形で進められていたことが分かります。