北米の歴史

イリノイ州の名前の由来とは?先住民族「イリニウェク」にまつわる歴史

イリノイ州の名前の由来

「イリノイ(Illinois)」という州名は、かつてこの地域に暮らしていたネイティブ・アメリカンの部族連合「イリニウェク(Iliniwek)」に由来しています。州名の背景には、先住民族の歴史と、17世紀にこの地を訪れたフランス人探検家たちの足跡が深く関わっているのです。

イリニウェク連合とは何か

イリニウェク連合は、17世紀頃にイリノイ川やミシシッピ川上流域で生活していた複数の部族からなる連合体でした。カホキア、カスカスキア、ミッチガメア、モインゴエナ、ペオリアといった部族がこの連合に含まれていたと伝えられており、彼らは豊かな川沿いの土地で狩猟や農耕を行っていました。

「イリニウェク」の言葉の意味と語源

「イリニウェク」という言葉は、アルゴンキン語族の言語に起源を持つとされます。「ilini(人・男)」と「wek(〜に属する、〜の)」という要素が組み合わさったもので、全体としては「イリノイ川の人々」を意味すると言われています。つまり、イリノイ州の名前そのものが、この土地と人々との深いつながりを物語っているのです。

1673年、探検家マルケットによる最初の記録

この名称が歴史記録に初めて現れたのは1673年のことです。フランス人宣教師にして探検家のジャック・マルケット(Jacques Marquette)は、仲間のルイ・ジョリエ(Louis Jolliet)とともにミシシッピ川を探索した際、この地域の先住民族について記録し、当時は「Illinous」という綴りで表記しました。

その後、フランス人たちの手によって表記は「Illinois」へと改められ、やがて現在の州名として定着していきました。

現在に受け継がれる名前

興味深いことに、フランス語では語末の「s」を発音しないため、英語話者の多くも「イリノワ」のようにこの州名を発音します。ただし、日本では慣例的に「イリノイ」と呼ばれるのが一般的です。先住民族の言葉から生まれたこの名前は、300年以上の時を経て今もなお、北米大陸の歴史を静かに伝え続けています。