北米の大平原(Great Plains)は、かつて数多くの先住民族がバッファロー(バイソン)を追いながら馬とともに暮らしていた広大な草原地帯です。これらの部族は、話されていた言語によって大きくいくつかの語族に分類されます。ここでは、代表的な部族を語族ごとにご紹介します。
アルゴンキン語族の部族
アルゴンキン語族は北米東部から平原部にかけて広く分布しており、以下のような部族が大平原地域にも暮らしていました。
- アラパホ族(Arapaho)
- ブラックフット族(Blackfoot/シクシカ族)
- シャイアン族(Cheyenne)
- クリー族(Cree)
- フォックス族(Fox)
- アイオワ族(Iowa)
- キカプー族(Kickapoo)
- メスクワキ族(Meskwaki)
- メノミニー族(Menominee)
- マイアミ族(Miami)
- オジブワ族(Ojibwe/チペワ族)
- オタワ族(Ottawa)
- ポタワトミ族(Potawatomi)
- サウク族(Sauk)
- ショーニー族(Shawnee)
- ウィネバゴ族(Winnebago/ホーチャンク族)
なお、アイオワ族は言語学的にはスー語族に分類される場合もあります。また、シャイアン族やアラパホ族は、後に平原の中央部へ移動し、典型的な「平原インディアン」文化を築き上げたことで知られています。
カドー語族の部族
カドー語族の部族は、もともと農耕を中心とした定住生活を送っていたことで有名です。
- アリカラ族(Arikara)
- カドー族(Caddo)
- ポーニー族(Pawnee)
- ウィチタ族(Wichita)
特にポーニー族は、星の観測に基づく高度な天文知識を持っていたことでも知られています。
イロコイ語族の部族
イロコイ語族に属する部族の一部も、大平原地域との関わりを持っていました。
- チェロキー族(Cherokee)
- セネカ族(Seneca)
マスコギ語族の部族
マスコギ語族は主に南東部に分布していましたが、以下の部族が挙げられます。
- チョクトー族(Choctaw)
- チカソー族(Chickasaw)
この両部族は、1830年代のインディアン移住法(涙の道)によって、故郷から西方への強制移住を経験しました。
スー語族の部族
スー語族は大平原において最も勢力が強かった語族の一つで、多くの著名な部族を含みます。
- アシニボイン族(Assiniboine)
- クロウ族(Crow/アプサルーレ族)
- ダコタ族(Dakota)
- ヒダーツァ族(Hidatsa)
- カンザ族(Kansa)
- ラコタ族(Lakota)
- マンダン族(Mandan)
- ミズーリ族(Missouri)
- オマハ族(Omaha)
- オセージ族(Osage)
- ポンカ族(Ponca)
- クアポー族(Quapaw)
- サンティ・ダコタ族(Santee Dakota)
- テトン・ダコタ族(Teton Dakota)
- ヤンクトン・ダコタ族(Yankton Dakota)
- ヤンクトナイ・ダコタ族(Yanktonai Dakota)
ダコタ族、ラコタ族、そしてヤンクトン系の各部族は、総称して「スー族」と呼ばれることもあります。中でもラコタ族(テトン・スー)は、19世紀後半の平原戦争期に、シッティング・ブルやクレイジー・ホースといった英雄的な指導者を輩出したことで広く知られています。
まとめ
大平原の先住民族は、アルゴンキン語族、カドー語族、イロコイ語族、マスコギ語族、スー語族といった複数の語族に分かれ、それぞれ独自の言語、文化、生活様式を持っていました。バッファローの狩猟と馬の文化を共有しながらも、部族ごとに多様な歴史を歩んできた彼らの足跡は、今日の北米文化においても重要な遺産となっています。