北米の歴史

アメリカ大陸で重い荷を背負う動物は何?答えはラマとアルパカ

「アメリカ大陸において、人々の『負担』となる荷物を運ぶ動物は何か?」——この問いに対する答えは、ラマ(llama)とアルパカ(alpaca)です。

南米原産のラクダ科の動物

ラマとアルパカは、どちらも南米アンデス地方原産のラクダ科(カメリア科)の動物です。現在では主にペルーやボリビアなど、標高の高いアンデス山脈一帯で飼育されており、乾燥した高地という過酷な環境に適応した丈夫な動物として知られています。

両者の役割には違いがあります。体格が大きく力強いラマは荷運び用の駄獣として、一方、毛が柔らかく豊かなアルパカは高級繊維採取用として、それぞれ古くから大切に飼われてきました。

インカ帝国以前からの長い歴史

ラマとアルパカの歴史は非常に古く、インカ帝国が興る前の時代にはすでに家畜化されていたといわれています。アンデス文明では、ラマは険しい山道で食料や物資を運ぶ唯一の輸送手段であり、アルパカの毛は衣類の原料として人々の生活を支えてきました。インカ帝国の時代には、広大な領土を結ぶ道路網でラマの隊列が活躍したこともよく知られています。

「アメリカ原産」という誤解に注意

ラマやアルパカは「アメリカの動物」というイメージを持たれがちですが、北アメリカ原産の動物ではありません。あくまで南米アンデス地方が本来の生息地であり、北米には自然分布していません。

なお、興味深いことに、ラクダ科の祖先は数百万年前に北アメリカで誕生し、その後パナマ地峡を経由して南米へ移り住んだと考えられています。しかし北米に残った個体群は絶滅したため、今日私たちが目にするラマやアルパカは、南米で独自に進化し、先住民の手によって家畜化されてきた子孫なのです。