北米の歴史

メキシコ割譲地に暮らしていたアメリカ先住民の部族とは?

メキシコ割譲地とは

1848年、米墨戦争を終結させた「グアダルーペ・イダルゴ条約」により、メキシコは現在のカリフォルニア、ネバダ、ユタ、アリゾナ、ニューメキシコ各州、およびコロラド・ワイオミングの一部に相当する広大な領土をアメリカ合衆国へ割譲しました。この地域には、何千年にもわたって独自の文化を育んできた数多くの先住民部族が暮らしていました。

ここでは、その土地とゆかりの深い主な部族を、メキシコ側とアメリカ側に分けてご紹介します。

メキシコ側の地域に関連する主な部族

  • プエブロ族(Pueblo):アメリカ南西部からメキシコ北部にかけて分布し、日干しレンガ造りの集合住宅で知られる農耕民族です。
  • ナバホ族(Navajo):北米最大級の先住民族の一つで、織物や銀細工の伝統で有名です。
  • アパッチ族(Apache):乾燥した国境地帯で狩猟採集生活を送り、卓越した戦闘技術で知られました。
  • ヤキ族(Yaqui):メキシコ・ソノラ州を中心に暮らし、強い自治の伝統を持つ民族です。
  • オトミ族(Otomi):メキシコ中央高原に古くから住み、独自の言語と文化を今に伝える民族です。
  • ウィチョル族(Huichol):シエラ・マドレ山脈で伝統的な信仰と色彩豊かな工芸文化を守り続けています。
  • ラカンドン族(Lacandon):チアパス州の熱帯雨林に暮らすマヤ系の小規模民族です。
  • ソケ族(Zoque):チアパス州周辺に分布する、古代文明ゆかりの民族です。
  • ミヘ族(Mixe):オアハカ州東部の山岳地帯に暮らす民族です。
  • サポテカ族(Zapotec):オアハカ渓谷でモンテ・アルバンなどの高度な文明を築いた民族です。

アメリカ側の地域に関連する主な部族

  • コマンチ族(Comanche):南部平原を支配した「平原の主人」と呼ばれた騎馬民族です。
  • カイオワ族(Kiowa):平原を移動しながら独自の絵画文化を発展させた遊牧民です。
  • アパッチ族(Apache):ジェロニモやコーチーズといった著名な指導者を輩出しました。
  • ナバホ族(Navajo):現在も広大な居留地(ネーション)を持ち、力強い文化を維持しています。
  • ズニ族(Zuni):ニューメキシコ西部に暮らすプエブロ系民族で、精巧な細工で知られます。
  • ホピ族(Hopi):アリゾナのメサ(台地)の上に村を築き、古いプエブロ文化を受け継ぐ民族です。
  • トホノ・オーダム族(Tohono O'odham):アリゾナ南部からメキシコのソノラ砂漠にかけて暮らす「砂漠の人々」です。
  • ココパ族(Cocopah):コロラド川下流域で農耕と漁労を行ってきた民族です。
  • セリ族(Seri):カリフォルニア湾沿岸の砂漠と島々で独自の海洋文化を育てた民族です。

まとめ

メキシコ割譲地は単なる領土の移動にとどまらず、そこに暮らす先住民たちの歴史やアイデンティティにも深く関わる出来事でした。これらの部族の多くは今日もなお、米墨両国において独自の言語・文化・伝統を受け継いでいます。