オセアニアの歴史

イスラエル建国を定めた条約は存在するのか?

イスラエル建国に「条約」は存在しない

実は、イスラエルを国家として確立した単一の「条約」は存在しません。イスラエル国は、1948年5月14日、初代首相となるダヴィド・ベン=グリオン率いるユダヤ機関(ユダヤ・エージェンシー)によって宣言されました。つまり、イスラエルの建国は外交文書である条約ではなく、独立宣言という形で成し遂げられたのです。

背景となった国連決議181号

建国宣言の法的・政治的な背景には、国連総会決議181号(パレスチナ分割決議)があります。この決議は1947年11月29日に採択され、当時イギリスの委任統治下にあったパレスチナにおいて、独立したユダヤ人国家とアラブ人国家の創設を求めるものでした。

しかしながら、イギリスはこの決議を実行に移すことなく、委任統治の終了とともにパレスチナから撤退しました。

内戦の中での独立宣言

決議をめぐっては、ユダヤ人勢力とアラブ人勢力の間で内戦が勃発し、地域は混乱に陥りました。そうした情勢の中で、ベン=グリオンは1948年5月14日、テルアビブにてイスラエル独立宣言を行い、ここにイスラエル国が正式に成立しました。

宣言の翌日にはアメリカ合衆国が事実上の承認を行い、その後ソ連もこれに続きました。このように、イスラエルの建国は特定の条約によるものではなく、国連決議を背景とした独立宣言と、各国からの承認によって国際的に確立されていったのです。