ロードアイランド植民地は、宗教的寛容を求める人々にとっての避難所として設立された、北米でも珍しい植民地でした。創設者ロジャー・ウィリアムズが掲げた「魂の自由(soul liberty)」の理念のもと、多様な宗教団体が共存し、それぞれの信仰を自由に実践することができました。ここでは、当時のロードアイランドに存在した主要な宗教団体をご紹介します。
ピューリタン(Puritans)
ピューリタンは、ロードアイランド地域に定住した最初のヨーロッパ人でした。彼らは17世紀に、宗教を自由に実践したいという願いからイングランドを離れ、ニューイングランド地方へ移住しました。聖書を生活の規範とする厳格な信仰を目指した彼らは、隣接するマサチューセッツ湾植民地を中心に大きな勢力を持っていましたが、その厳しい統制から逃れる人々がロードアイランドへ流れ込むことになります。
分離派(Separatists)
分離派は、イングランド国教会からの完全な分離を主張した急進的なプロテスタントの一派です。国教会の内部改革だけでは不十分だと考え、独自の教会を立ち上げました。メイフラワー号で渡米したピルグリム・ファーザーズもこの分離派に属しており、国家から独立した教会という彼らの思想は、ロードアイランドにおける政教分離の基盤となりました。
バプテスト(Baptists)
バプテストは、成人になってからの自発的な洗礼(浸礼)を重視する教派です。ロードアイランドの創設者であるロジャー・ウィリアムズ自身がバプテストの信仰を持っており、1638年にプロビデンスに北米初のバプテスト教会を設立しました。このためロードアイランドは「アメリカ・バプテスト発祥の地」と呼ばれています。
クエーカー(Quakers)
クエーカー(正式名称:友人会)は、「内なる光」と呼ばれる神の導きと平和主義を信条とするキリスト教団体です。他の植民地での迫害を逃れ、17世紀後半からニューポートなどを中心に移り住み、やがてロードアイランドで大きな影響力を持つようになりました。商業活動にも長け、後に奴隷制廃止運動でも先駆的な役割を果たしました。
英国国教会徒(Anglicans)
英国国教会徒は、イングランド国教会の信徒たちです。ニューイングランドの他の植民地では少数派として冷遇されることが多い中、ロードアイランドの寛容な方針のおかげで、ここでも自由に礼拝を行うことができました。ニューポートには18世紀初頭にトリニティ教会が建てられ、現在も歴史的建造物として残っています。
まとめ
このように、ロードアイランド植民地にはピューリタン、分離派、バプテスト、クエーカー、英国国教会徒といった多彩な宗教団体が共存していました。特定の宗教を国家が強制しないこの先駆的な姿勢は、やがてアメリカ合衆国憲法修正第1条に盛り込まれた「宗教の自由」の理念へとつながっていきました。