1607年に設立されたジェームスタウンは、北米におけるイギリス初の恒久的植民地でした。もしこの植民地が失敗していたら、アメリカ大陸の歴史は現在とはまったく異なるものになっていた可能性があります。ここでは、ジェームスタウンが失敗した場合に考えられる主な結果を5つの視点から解説します。
1. 北米にイギリスの恒久的拠点が存在しなかった可能性
ジェームスタウンの失敗は、イギリスによる北米への恒久的植民地建設の試みに大きな打撃を与えたはずです。新世界への足掛かりを失ったイギリスは、植民活動を大幅に遅らせるか、最悪の場合は完全に断念していたかもしれません。そうなれば、後の13植民地の形成やアメリカ独立戦争といった歴史的展開自体が存在しなかった可能性もあります。
2. 先住民族との緊張関係の悪化
ジェームスタウンが失敗していれば、イギリス人入植者と現地の先住民族との関係はさらに悪化していたと考えられます。入植者たちによる先住民の土地や資源への侵害、そして過酷な扱いは、敵意や武力紛争を一層激化させる要因となったでしょう。一方で、イギリス勢力の後退により、先住民族が主導権を維持できた期間が長くなった可能性も指摘できます。
3. その後のイギリス植民活動への影響
ジェームスタウンの失敗は、その後のイギリスによる植民活動への意欲を大きく削いだ可能性があります。新世界の過酷な環境や飢餓、病気といった悲報が本国に広まれば、大西洋を渡って移住しようとする人々は減少していたことでしょう。ピルグリム・ファーザーズのメイフラワー号による渡航(1620年)も、実現しなかったかもしれません。
4. イギリスの威信と経済への打撃
ジェームスタウンの設立には、バージニア会社を通じて多大な時間、労力、資金が投じられていました。その失敗は、イギリスの国家の威信を損ない、新世界の富を開拓・活用する能力への疑念を投げかける重大な打撃となったはずです。投資家たちの信頼を失えば、以降の海外進出プロジェクトへの資金調達も困難になっていたと考えられます。
5. フランスやスペインによる代替的な植民地化
仮にジェームスタウンが失敗し、イギリスがさらなる植民活動を断念した場合、他のヨーロッパ列強がその空白を埋めた可能性があります。当時すでに北米大陸に広範な領土を持っていたフランスや、中南米を支配していたスペインが北米東部へ勢力を拡大し、地域における植民地化の流れが根本的に変わっていたかもしれません。現在のアメリカが英語圏ではなく、フランス語やスペイン語が主流の国になっていた可能性さえあるのです。
まとめ
ジェームスタウンの成功は決して順風満帆なものではありませんでしたが、北米大陸におけるイギリス、ひいては後のアメリカ合衆国の歴史を形作る重要な転換点となりました。タバコ栽培の成功によって経済的に自立し、植民地として存続することに成功したからこそ、今日の英語圏アメリカが存在しているのです。歴史の「if」を考えることで、たった一つの植民地の成否が世界に与える影響の大きさを実感できます。