実は、歴史上誰も「世界が平らであること」を発見したことはありません。むしろ逆で、人類は2000年以上もの前から、地球が球体であることを知っていました。
古代ギリシャ人はすでに「丸い地球」を知っていた
紀元前6世紀頃のピタゴラスや、紀元前4世紀のアリストテレスといった古代ギリシャの学者たちは、いくつもの根拠から地球が球体であると結論づけていました。
- 月食の際の地球の影:月食のときに月面に映る地球の影が、どの角度から見ても常に円形であること。
- 北へ進むほど星の高さが変わること:移動するにつれて北極星の高度が変化する現象は、地面が曲面である証拠でした。
- 船が水平線から消える様子:遠ざかる船は船体から先に見えなくなり、マストが最後まで見えること。
地球の大きさまで測定されていた
さらに紀元前3世紀には、エジプトの学者エラトステネスが、夏至の日に異なる地点での太陽光の角度の差を利用して地球の円周を計算しました。その測定値は、現代の正確な数値とわずか数%程度の誤差しかないという、驚くべき精度でした。つまり、「地球の形」だけでなく「その大きさ」まですでに把握されていたのです。
なぜ「中世の人々は平面地球説を信じていた」と思われているのか?
「コロンブスの時代の人々は地球が平らだと信じていた」という逸話は、実は19世紀以降に広まった誤解であり、一部では意図的に作られた物語だと指摘されています。当時の知識人や航海者の間で地球が球体であることに疑いを持つ者はほぼいませんでした。
コロンブスをめぐる本当の論争は、地球の形ではなく地球の大きさ(したがってアジアまでの距離)の見積もりに関するものでした。コロンブスは距離を過小評価していましたが、彼でも地球が丸いことは信じていたのです。
まとめ
「世界が平らだと発見した人物」は存在しません。球体の地球という認識は、少なくとも2000年以上前の古代ギリシャ時代から確立しており、その後の歴史を通じて受け継がれてきました。「昔の人は地球平面説を信じていた」という通説こそが、後に生まれた誤解なのです。