オセアニアの歴史

新世界への航海で生き残れなかったのは何人?約半数が命を落とした大西洋横断の過酷な実態

約半数の入植者が新世界へたどり着けなかった

大航海時代以降、ヨーロッパから新世界(アメリカ大陸)へ向かった入植者のうち、およそ50%が航海の途中で命を落としたとされています。大西洋横断の旅は数か月に及ぶ長く危険な道のりであり、多くの人々が病気、飢餓、あるいは事故によって亡くなりました。

最大の死因は「壊血病」

航海中の死者で最も多かった原因は、ビタミンCの欠乏によって引き起こされる壊血病(かいけつびょう)でした。長期間の航海では新鮮な果物や野菜が入手できず、歯茎からの出血や全身の衰弱など、壊血病の症状に苦しむ乗客が続出しました。

また、壊血病以外にも天然痘、腸チフス、黄熱病といった感染症が多くの命を奪いました。閉鎖的な船内環境では、ひとたび病原菌が持ち込まれると感染は瞬く間に広がったといわれています。

栄養失調と海難事故も深刻

病気以外にも、栄養失調が入植者の健康を大きく脅かしました。船内の食料は腐敗していたり、ネズミに食い荒らされたりすることが珍しくなく、十分な量を食べられないまま体力を消耗する人が大勢いたのです。

さらに、当時の船は嵐や難破に見舞われることも多く、事故による死亡も後を絶ちませんでした。航海技術や船体構造が未発達だった時代には、海そのものが大きな死のリスクだったのです。

高い死亡率が初期植民地に与えた影響

新世界への航海における高い死亡率は、初期の植民地運営に大きな影を落としました。もともと厳しい環境の中で生き延びようとしていた多くの植民地にとって、これほど多くの人員を失うことは、安定した経済や社会を築くことを一層困難にしました。

こうした苦難の歴史は、今日私たちが知るアメリカ大陸の発展が、決して容易な道のりの先にあったものではないことを物語っています。