南アメリカの歴史

古代スパルタで投票できたのは誰?厳格な市民権と政治参加の実態

古代スパルタにおいて、市民権と民会(アペラ)における投票権は、スパルティアテスと呼ばれる階級の者にのみ認められていました。それ以外の住民は、いかに自由な身分であっても政治への参加は許されなかったのです。

スパルティアテス――完全な政治権利を持つ唯一の市民

スパルティアテスとは、軍事訓練中または予備役にあるスパルタの男性市民のうち、共同食事(シュッシティア)の会費負担を怠ることなく、自前で兵装を整えられる十分な財産を有する者を指します。彼らだけが完全な政治権利を享受し、民会での議決に加わることができました。

つまりスパルタの投票権は、単なる出生だけでなく「軍務への貢献」と「経済的自立」という厳しい条件によって担保されていたのです。これらの要件を満たせなくなった者は、市民権を失うことさえありました。

政治から排除された人々

一方、スパルタ社会の大多数を占める以下の人々には、国政に関する発言権が一切ありませんでした。

  • ペリオイコイ: 自由身分ではあるものの市民権を持たない商人や職人。経済活動を担ったが、政治的権利はなかった。
  • ヘイロタイ: 国家に所有された農奴。スパルタ社会の労働力の大半を支えたが、最も抑圧された階層だった。
  • モタケス: 解放されて自由の身となった元ヘイロタイなど。自由人ではあっても、市民権は与えられなかった。

まとめ

古代スパルタの政治参加は極めて限定的でした。総人口のごく一部を占めるスパルティアテスだけが投票権を持ち、商人・職人・農奴といった社会の大多数は、政治的意思決定の過程から完全に排除されていたのです。この少数精鋭の軍事国家ならではの仕組みこそが、スパルタ独特の社会構造を形作っていました。