南アメリカの歴史

アメリカ・インディアン協会(SAI)とは?設立の経緯から主な活動までをわかりやすく解説

「アメリカ・インディアン協会」という名前を聞いて、どんな組織だったか思い出せない方も多いのではないでしょうか。ここでは、20世紀初頭のアメリカにおいて先住民族の権利向上に大きな役割を果たしたこの歴史的団体について、設立の経緯、組織体制、目標、そしてその影響力をわかりやすくご紹介します。

設立の経緯

1911年10月18日、オハイオ州コロンバスにおいて、約50名のネイティブ・アメリカンが集まり、全米インディアン協会(Society of American Indians)の第1回年次大会が開催されました。これが同協会の正式な発足の瞬間であり、アメリカ先住民が自らの手で全国規模の組織を作り上げた、歴史的な一歩となりました。

組織体制

創立大会での主な議題は、役員の選出、規約の採択、そして組織目標の策定でした。初代の役員は以下の通りです。

  • 会長:チャールズ・E・ダゲネット(Charles E. Dagenett/オナイダ族)
  • 書記:シャーマン・クーリッジ博士(Dr. Sherman Coolidge/アラパホ族)
  • 外勤書記:カルロス・モンテスマ博士(Dr. Carlos Montezuma/ヤバパイ族)

なかでもモンテスマ博士は、協会の公式機関誌『ワッサジャ(Wassaja)』を創刊したことでも知られています。この誌面では、アメリカ先住民自身によって書かれた記事や、彼らに関する物語が数多く掲載され、先住民の声を広く伝える重要な媒体となりました。

目標と活動

協会は設立当初から、いくつかの明確な目標を掲げて活動していました。主なものは次の通りです。

  • 先住民族同士の連帯(フェローシップ)と相互理解の促進
  • 連邦政府、アメリカ社会、そして世界に向けて、アメリカ・インディアンのロビー団体・擁護団体として機能すること
  • アメリカ・インディアンの文化や習慣の保存
  • 先住民が可能な限り高い生活水準を達成できるよう支援すること

つまり同協会は、単なる親睦団体ではなく、文化的保存と社会的権利の実現の両方を目指す、先先駆的な擁護団体だったのです。

会員数と影響力

創立初期の頃から会員数は急速に拡大し、1920年代前半には全米の各州・各部族から約1,200名の会員を擁するまでに成長しました。協会はその影響力と幅広い広報活動を通じて、アメリカ・インディアンの雇用機会や教育機会の改善に大きく貢献し、否定的なステレオタイプと闘ううえでも多大な成果を収めました。

アメリカ・インディアン協会の活動は、後の先住民族運動の基盤を築いた点でも、アメリカ史の中で特筆すべき存在といえるでしょう。