南アメリカの歴史

第二次世界大戦と野球の意外な関係|「アメリカの国民的娯楽」がたどった歴史

「第二次世界大戦が野球を生み出した」と思われがちですが、実はそうではありません。野球は戦前から存在し、すでにアメリカの国民的娯楽として広く親しまれていました。ただし、第二次世界大戦は野球の歴史における重要な転換点となり、その後の発展に大きな影響を与えたのです。

野球の起源は戦前、18〜19世紀にさかのぼる

野球の原型は、18世紀にイギリスで遊ばれていたラウンダーズなどの球技にあるとされています。その後、19世紀のアメリカで現在の形へと整えられました。1845年にアレクサンダー・カートライトらがルールを体系化したことが近代野球の出発点とされ、南北戦争をきっかけに野球は全米へと普及していきます。

1876年にはナショナルリーグが創設され、20世紀初頭までには野球は「アメリカの国民的娯楽(National Pastime)」として確固たる地位を築いていました。つまり、野球は第二次世界大戦よりはるかに前から存在していたのです。

それでも大戦は野球に大きな影響を与えた

主力選手の従軍とリーグの危機

1941年にアメリカが参戦すると、テッド・ウィリアムズやジョー・ディマジオをはじめとする多くのスター選手が軍に徴兵され、メジャーリーグは深刻な人材不足に陥りました。観客動員の減少も重なり、野球界全体が試練の時代を迎えます。

女子プロ野球リーグの誕生

そんな中、観客を取り戻すために生まれたのが「オール・アメリカン・ガールズ・プロフェッショナル・ベースボール・リーグ」です。1943年に創設されたこの女子リーグは戦時中に高い人気を集め、後に映画『プリティー・リーグ』の題材としても知られるようになりました。

国民の士気を支える野球

さらに、フランクリン・ルーズベルト大統領は開戦後も「グリーンライト書簡」でシーズン続行を支持しました。野球は国民の士気を高める役割を担い、戦地でも将兵たちの憩いとして親しまれ、これが戦後の野球ブームへとつながっていきました。

まとめ

第二次世界大戦が野球を「つくり出した」わけではありません。野球は18〜19世紀に起源を持ち、戦前にはすでにアメリカの国民的娯楽となっていました。しかし、大戦は選手の従軍や女子リーグの誕生といった形で野球界を大きく変え、戦後の黄金時代への布石となったのです。