南アメリカの歴史

アメリカのニッケル硬貨に銀は含まれていた?戦時中の「銀ニッケル」の真実

結論から言うと、はい、アメリカの5セント硬貨(通称「ニッケル」)には、かつて銀が含まれていた時期があります。ただし、それは第二次世界大戦中のごく限られた期間だけであり、それ以外の時代のニッケル硬貨には銀は一切含まれていません。

ニッケル硬貨の標準的な組成

アメリカの5セント硬貨は、1866年のシールド・ニッケルの登場以来、銅75%・ニッケル25%の合金で作られてきました。「ニッケル」という愛称自体が、この合金に含まれるニッケルに由来しています。

各時代のニッケル硬貨と銀含有量

1. シールド・ニッケル(1866年〜1883年)

  • 組成:銅75%、ニッケル25%
  • 銀含有量:なし

2. リバティヘッド・ニッケル(1883年〜1913年)

  • 組成:銅75%、ニッケル25%
  • 銀含有量:なし

3. バッファロー・ニッケル(1913年〜1938年)

  • 組成:銅75%、ニッケル25%
  • 銀含有量:なし

4. ジェファーソン・ニッケル 戦時版(1942年〜1945年)※唯一の例外

  • 組成:銀35%、銅56%、マンガン9%
  • 銀含有量:35%(第二次世界大戦中のみ)

ここが唯一の例外となる時期です。大戦中、ニッケルは装甲板などの軍需物資として優先的に確保する必要があったため、造幣局は硬貨からニッケルを排除し、代わりに銀とマンガンを使った代替合金を採用しました。この特別な硬貨は「戦時ニッケル(Wartime Nickel)」と呼ばれています。

5. ジェファーソン・ニッケル(1946年〜現在)

  • 組成:銅75%、ニッケル25%
  • 銀含有量:なし

戦争が終結すると、1946年から従来の銅・ニッケル合金へと組成が戻され、その後今日に至るまで変更されていません。

戦時ニッケルの見分け方

銀入りの戦時ニッケルは、意外と簡単に見分けられます。裏面のモンティチェロ邸の上に、大きなミントマーク(造幣局マーク)が刻印されているのが最大の特徴です。通常のニッケルではミントマークは非常に小さく、右下に配置されています。また、この時期には史上初めてフィラデルフィア造幣局製の硬貨にも「P」マークが刻まれました。

さらに、銀を含むため縁の色合いがやや異なり、長い年月を経た硬貨では独特の風合いが現れることもあります。金属価格の観点からも、これらの戦時ニッケルは通常の5セント硬貨よりも高い素材価値を持っています。

まとめ

アメリカのニッケル硬貨に銀が含まれていたのは、1942年から1945年までの戦時期間のみです。政府が軍事目的でニッケルを確保する必要に迫られた結果、硬貨の材料が銀に置き換えられました。戦後はすぐに元の銅・ニッケル合金へ戻されたため、現在流通しているニッケル硬貨に銀は含まれていません。お手元にモンティチェロの上に大きなミントマークがあるニッケルがあれば、それは貴重な戦時ニッケルかもしれません。