奴隷解放宣言とは
奴隷解放宣言(Emancipation Proclamation)は、南北戦争中の1863年1月1日、アメリカ合衆国のエイブラハム・リンカーン大統領によって発布された歴史的な宣言です。この宣言により、アメリカ連合国(南部連合)に属する地域の奴隷は、自由な身分を持つ者として認められることになりました。
「すべての州の批准」は実は存在しなかった
「奴隷解放宣言がすべての州によって批准された」という表現を目にすることがありますが、これは正確ではありません。奴隷解放宣言は憲法修正条項や連邦法ではなく、大統領が発する行政命令(大統領令)であったため、そもそも州による批准の手続きは必要ありませんでした。リンカーン大統領は戦時大権としてこの宣言を発布し、南部諸州に対してその効果を及ぼしました。
解放された奴隷の総数は約400万人
奴隷解放宣言は、当時アメリカ連合国に属していたすべての州に対して発効しました。その結果、約400万人の奴隷が解放されることとなりました。ただし、宣言の発布直後にすべての奴隷が実際に自由になったわけではありません。北部軍(連邦軍)が南部各地を占領・進軍するにつれて、宣言の内容が現実の自由へと結実していきました。
奴隷制度の完全な廃止へ
奴隷解放宣言は南部連合の支配地域が対象であり、境界州など一部の地域では依然として奴隷制が残っていました。奴隷制度がアメリカ全土で完全に廃止されたのは、1865年に成立した憲法修正第13条によってです。奴隷解放宣言は奴隷制度廃止への大きな転換点となり、その後の憲法修正への道を開く重要な一歩となったのです。