アメリカ合衆国には現在300以上のインディアン居留地(Reservation)が存在しますが、その一方で、ひとつも居留地を持たない州もあります。この記事では、居留地が存在しない州の一覧と、その歴史的な背景についてわかりやすく解説します。
インディアン居留地とは
インディアン居留地とは、連邦政府が先住民族(ネイティブ・アメリカン)の部族のために指定した土地のことです。居留地内では部族が一定の自治権を持ち、独自の行政や文化活動を行っています。居留地は西部や中西部の州に集中しているのが特徴です。
インディアン居留地が存在しない州の一覧
連邦政府に認定されたインディアン居留地を持たない州としては、一般的に以下の州が挙げられます(定義や集計方法により多少の違いがあります)。
- アーカンソー州
- デラウェア州
- ジョージア州
- ハワイ州
- イリノイ州
- ケンタッキー州
- メリーランド州
- ミズーリ州
- ニューハンプシャー州
- ニュージャージー州
- オハイオ州
- ペンシルベニア州
- テネシー州
- バーモント州
- バージニア州
- ウェストバージニア州
なお、コネチカット州、メイン州、マサチューセッツ州、ロードアイランド州など北東部の一部の州には、小規模ながら連邦認定の居留地が実際に存在します。たとえば、コネチカット州のマシャンタケット・ピクォート居留地やモヒガン居留地、メイン州のペノブスコット族の居留地などが代表例です。
なぜこれらの州に居留地がないのか
居留地を持たない州が多い背景には、歴史的な経緯があります。東部や南部の州では、植民地時代からヨーロッパ系入植者の拡大が早く進み、先住民族の土地が次々と奪われていきました。さらに、1830年に成立した「インディアン移住法」によって、多くの部族がミシシッピ川以西への強制移住を余儀なくされたことも大きな要因です。
また、一部の州では先住民族の部族自体が連邦政府から正式な認定を受けていないため、居留地が設定されていません。たとえば、ニューハンプシャー州やバーモント州ではアベナキ族のグループが州レベルで認められているものの、連邦認定は得ておらず、独自の居留地を持ちません。
ハワイ州は特殊なケースです。ネイティブ・ハワイアンのために「ハワイ原住民国有地(Hawaiian Home Lands)」という住宅用地制度が設けられていますが、これは本土のインディアン居留地とは法的根拠も性格も異なる、まったく別の仕組みです。
まとめ
インディアン居留地は全米に多数存在しますが、その多くは西部に集中しており、東部・南部の州には存在しないケースが目立ちます。これは偶然ではなく、開拓の歴史や強制移住政策といった歴史的背景を反映した結果です。州ごとの状況を知ることは、アメリカ先住民族の歴史と現在を理解するうえで重要な手がかりとなるでしょう。