南アメリカの歴史

チャールズ2世時代に設立された北米植民地の特徴と、それ以前の植民地との違い

チャールズ2世時代に誕生した北米植民地

イングランド王チャールズ2世の治世(1660年〜1685年)には、北米大陸に数多くの新しい植民地が設立されました。カロライナ、ペンシルベニア、デラウェア、ニューヨーク、ニュージャージーのこれらの植民地は、利益追求を主目的としたそれ以前の植民地とは、設立の理念や統治のあり方において大きく異なる特徴を持っていました。以下、各植民地の特色を詳しく見ていきましょう。

カロライナ

  • 設立目的: 利益よりも入植そのものを目的として設立されました。
  • 宗教政策: 宗教的寛容が宣言されましたが、必ずしも徹底して実施されたわけではありませんでした。
  • 政治体制: 入植者には代表議会が認められ、議会が総督を選出するという当時としては珍しい仕組みが採られました。
  • 経済基盤: 農業(主にタバコ栽培)が中心で、後には奴隷労働に大きく依存するようになりました。

ペンシルベニア

  • 設立目的: ウィリアム・ペンによって「聖なる実験(Holy Experiment)」として構想されました。
  • 宗教政策: クエーカー教徒が中心となり、平和、宗教的寛容、平和主義を掲げて植民地を築き上げました。
  • 政治体制: 代表議会が置かれ、総督はペン自身が任命しました。
  • 経済基盤: 農業(主に小麦とトウモロコシ)と交易が経済の柱となりました。

デラウェア

  • 成り立ち: 元々はペンシルベニアの一部でしたが、1704年に独立した植民地となりました。
  • 政治体制: 代表議会を持ち、総督はペンが任命しました。
  • 経済基盤: 農業(主に小麦とトウモロコシ)と交易が中心でした。

ニューヨーク

  • 成り立ち: 元々はオランダ人によって「ニュー・ネーデルラント(New Netherland)」として建設されました。
  • 領有の変遷: 1664年にイギリスに占領され、「ニューヨーク」と改名されました。
  • 政治体制: 代表議会を持ち、総督はイギリス国王が任命しました。
  • 経済基盤: 交易、農業(主に小麦とトウモロコシ)、毛皮狩りが経済を支えました。

ニュージャージー

  • 成り立ち: 元々はニューヨークの一部でしたが、1664年に独立した植民地となりました。
  • 政治体制: 代表議会を持ち、総督はイギリス国王が任命しました。
  • 経済基盤: 農業(主に小麦とトウモロコシ)と交易が中心でした。

初期の植民地との大きな違い

カロライナとペンシルベニアは、それ以前のアメリカ植民地と比べて、以下の点で際立って異なっていました。

  1. 設立目的の違い: 初期の植民地は、利益を追求する冒険家や起業家によって設立されました。一方、カロライナは入植の促進を、ペンシルベニアは宗教的自由の実現を目的としていました。
  2. 宗教的寛容: カロライナとペンシルベニアは、初期の植民地に比べて宗教的な多様性に対してはるかに寛容な姿勢を示しました。
  3. 統治形態: 両植民地とも住民による代表議会を持っていたのに対し、初期の植民地は本国から派遣された任命官によって統治される傾向がありました。

まとめ

チャールズ2世の時代に設立された植民地は、単なる利益追求の場ではなく、入植者の生活基盤の確立や宗教的自由の追求といった新しい理念のもとに築かれました。代表議会による自治の要素や宗教的寛容の精神は、後のアメリカ合衆国の民主主義の土台となる重要な特徴でした。この時期に形成された植民地の多様性こそが、アメリカという国家の複雑で豊かな性格を形作ったのです。