「1979年のリバティドル銀貨を持っているが、今いくらになるのか知りたい」という問い合わせは少なくありません。しかし結論から言うと、1979年に発行された「リバティドル銀貨」と呼ばれる1ドル銀貨は、正式には存在しません。この記事では、その理由と、1979年に実際に発行された1ドル硬貨の正体、そして手元にある硬貨の本当の価値について詳しく解説します。
なぜ「1979年のリバティドル銀貨」は存在しないのか
アメリカ合衆国造幣局(US Mint)の歴史を確認すると、1935年のピースダラー(Peace Dollar)を最後に、一般流通用の1ドル銀貨の発行は終了しています。つまり、1979年時点で銀を原材料とした1ドル硬貨はすでに40年以上も作られていないのです。
また、「LIBERTY(リバティ)」の文字が刻印された1979年製の1ドル硬貨も、銀貨として鋳造された記録はありません。もし「1979年のシルバー・リバティドル」として売られていたり、コレクションの中に見つかったりした場合は、以下の可能性が高いと言えます。
- 別の硬貨と混同している(後述するスーザン・B・アンソニー・ダラーなど)
- 偽造品またはレプリカである
- 通常の硬貨に銀メッキを施した加工品である
1979年に実際に発行された1ドル硬貨とは?
1979年にアメリカ造幣局が発行した1ドル硬貨はスーザン・B・アンソニー・ダラー(Susan B. Anthony Dollar)です。これは女性の肖像が初めて採用された米国の流通硬貨として知られています。
スーザン・B・アンソニー・ダラーの特徴
- 表面: 女性参政権運動家スーザン・B・アンソニーの肖像と「LIBERTY」の文字
- 裏面: アポロ11号の任務章をモチーフにしたワシと月のデザイン
- 素材: 銅ニッケルクラッド材(銀は含まれていません)
- 直径: 約26.5mm
重要なのは、この硬貨には確かに「LIBERTY」の文字が刻まれているものの、銀は一切使用されていないという点です。銀色に見えるのは銅とニッケルの合金によるものであり、「銀貨」とは呼べません。
スーザン・B・アンソニー・ダラーの現在の価値
では、1979年の1ドル硬貨はどれほどの価値があるのでしょうか。残念ながら、一般的な流通品の場合、価値は額面の約1ドル程度にとどまるのが実情です。発行枚数が非常に多かったため、希少性はほとんどありません。
ただし、以下のようなケースではプレミアムが付くことがあります。
- 未使用品(UNC): 状態の良い未流通のコインは数ドル〜十数ドル程度
- プルーフ貨: 特殊な鋳造技術で作られた収集家向けの硬貨は数ドル以上の価値
- エラー品: 「1979-S Type 2」のように明確な刻印が施されたプルーフ貨や、打ち間違いなどのエラーコインはコレクター人気が高く、高値がつくこともあります
手元の硬貨が偽物かどうかを見分けるポイント
「銀貨」として入手した1979年の1ドル硬貨をお持ちの場合、次の点を確認してみてください。
- 重量: 正規のスーザン・B・アンソニー・ダラーは約8.1gです。銀貨であれば同じサイズでも重さが異なります
- 縁の確認: 本物はリード(ギザギザ)のあるエッジになっています
- 音色: 銀貨は独特の澄んだ音がしますが、銅ニッケル貨やメッキ品では音が異なります
- 専門家への鑑定: PCGSやNGCといった公的鑑定機関に依頼すれば真贋とグレードを確定できます
まとめ
1979年の「リバティドル銀貨」は公式には存在せず、その多くはスーザン・B・アンソニー・ダラーとの混同か、偽造・加工品である可能性が高いです。1979年に発行された正規の1ドル硬貨は銀を含まない銅ニッケル製で、流通品の価値はおおむね額面相当です。ただし、未使用品やプルーフ貨、エラー品であれば思わぬ価値が見込めることもあります。まずは手元の硬貨の状態をよく確認し、必要であれば専門機関に鑑定を依頼することをおすすめします。