アメリカ紙幣に初めて描かれた女性
アメリカ合衆国の通貨に肖像として初めて登場した女性は、初代大統領ジョージ・ワシントンの夫人であるマーサ・ワシントン(Martha Washington)です。
彼女の姿が描かれたのは、1ドル銀券($1 Silver Certificate)でした。この紙幣は1886年から1896年にかけて発行され、表面にはマーサ・ワシントンの肖像があしらわれていました。
1896年の「教育シリーズ」紙幣
特に有名なのが、1896年に発行された「教育シリーズ(Educational Series)」と呼ばれる1ドル銀券です。この美しいデザインの紙幣には、歴史と科学を象徴する女性像とともに、マーサ・ワシントンとジョージ・ワシントンの肖像が裏面に描かれていました。精緻な彫刻と芸術性の高さから、アメリカ紙幣史上最も美しいデザインの一つとして今も高い評価を受けています。
その後のアメリカ通貨と女性
残念ながら、現在流通している連邦準備券(Federal Reserve Note)には、女性の肖像は採用されていません。かつては20ドル紙幣に奴隷解放運動家ハリエット・タブマンの肖像を採用する計画も発表され話題となりましたが、実現には至っていません。
それでも、19世紀末に発行されたマーサ・ワシントンを描いた1ドル銀券は、アメリカ通貨の歴史において女性が果たした特別な存在感を今に伝える貴重なコレクションアイテムとなっています。