19世紀のアメリカ南部社会は、厳格な階層構造によって成り立っていました。ここでは、南部社会を構成していた主要な4つのグループについて、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
1. プランテーション所有者(大農園主)
南部社会の頂点に位置していたのが、裕福な大地主たちです。彼らは広大なプランテーション(大農園)と多数の奴隷を所有していました。
- 人口のわずか約1%を占める少数派でした。
- 州政府や経済界を支配し、南部の政治・経済に絶大な影響力を持っていました。
- 豪華な邸宅(大豪邸)に住み、優雅な生活を送っていました。
2. 小規模農家
大農園主の下に位置するのが、中小の自作農たちです。彼らは南部経済の中間層として存在していました。
- 小さな農場と、ごく少数の奴隷を所有していました。
- 人口の約15%を占めていました。
- 十分な土地を持たない場合、大農園主から土地を借りて耕作することも多くありました。
- 質素ではあるものの、自立した生活を営んでいました。
3. 奴隷を所有しない白人
実は南部の白人の大多数を占めていたのが、奴隷を一切所有しない貧しい白人層でした。
- 奴隷を所有する経済的余裕がありませんでした。
- 人口の約80%という圧倒的多数を占めていました。
- 小作人、分益小作人(シェアクロッパー)、職人などがこの階層に含まれていました。
- 多くは貧困の中で暮らしていました。
4. 黒人奴隷
南部社会の最底辺に置かれていたのが、アフリカから連れてこられた黒人奴隷たちです。
- 人口の約35%を占め、南部経済を支える基盤となっていました。
- アフリカからアメリカへ強制的に連行され、プランテーションでの過酷な労働を強いられました。
- 劣悪な住環境と過酷な扱いの中で生活していました。
- 財産の所有、投票権、教育を受ける権利など、あらゆる基本的な権利を奪われていました。
このように、南北戦争前のアメリカ南部社会は、わずか1%の大農園主が権力を握り、大多数の貧しい白人と、権利を一切持たない黒人奴隷がその下に置かれる、極めて不平等な社会構造を持っていました。この構造こそが、後の南北戦争へとつながる大きな要因の一つとなったのです。